【SERVAMP】 狼男の彼は吸血鬼と仲良くできるのか！！？？【男主】

二十六言目.　さぁ、今 ページ27

貴「あーつーいー」

　じっとり、と背中に張り付く制服と
　湿った空気が充満した教室で俺は叫んだ

　文化祭が近いからみんなは教室で準備をしている

『ちょっと大神！！ちゃんとやってよ！！』

　俺は机につっぷしたまま、みんなの方へ顔を向ける

　看板、ポスター、手品の練習、衣装係り
　皆の手は止まらずに動き続ける

『そうだよ！！この前だって急に帰るしさー』

　女子が口うるさく俺を責め立てる

　俺はゆっくりと席から立ち上がって
　練習をしているグループの方へ歩き
　机に置かれたトランプを手に取る

『そうえば、大神は何をするんだ？』

貴「トランプを宙に浮かせるのをやろうかなーって」

『宙に浮かす？』

　バラバラバラ、と手でトランプをシャッフルさせる

貴「こうやって」

　両手を上げて、トランプをぶちまける

　ひらひら、はらはら、トランプは床へ落ちようとする
　重力通りに下へ下へ落ちていく・・・が
　ギリギリで落ちるのが終わる

　テレビの逆再生でも見るようにトランプは下から上から上へ
　上がっていく

貴「な？これでどーよ？」

　ふわふわ、と俺の身長よりも高くトランプは浮かんでいる

　しかしこれだけじゃあ手品と言えないか
　まぁ、手品じゃないんだけどさ・・・

　くいっ、と手を指揮者のように動かして
　トランプを操り、トランプタワーを作っていく
　５段まで出来たところで俺は手を止めて、みんなの反応を見た

貴「どうかな？」

　みんなの視線がトランプから俺へ移り、パァッと目の色が変わる

『すごいっ！！すごいよっ！！』

『こんな特技があったの！？早く言ってよ！！』

『すげー・・・』

　トランプタワーが崩れて、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った

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　休み時間、飲み物を買いに自販機のところへ行くと

　緑色の髪がゆれていた

貴「よぉ、綿貫君」

　いつ以来だろう？憂鬱の家に行ってからだから
　昨日・・・おとといぶり？

桜「A・・・？」

貴「うん、そうだよ。綿貫君の友達の大神Aだよ」

桜「どこに行ってたんだよ」

　ガコンッ、と自販機の取り出し口で音が鳴る
　綿貫君はお茶を買ったらしい

　俺も隣の自販機にお金を入れて、ボタンを押せば
　１秒もしないうちにジュースが出てきた

貴「色欲の家だよ」

　嘘をつかずに俺は答えた

　もし俺が、嘘をつくのが苦手だと言ったら
　綿貫君は信じるかな？

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