【二十一】二章-本丸日和5- ページ22
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遠征は大成功とまではいかなかったものの、それなりに資源を収集することができた。Aの初めての遠征としては結果は上々だ。
集めた資源の確認をしていると、遠征部隊帰還の知らせを受けた審神者が訪れた。
報告するため部隊長である一期が傍へ近付いていくと、審神者の後ろに影が見える。
「主殿。ただいま遠征から戻ってまいりました。此度の成果は、…………おや、鶴丸殿も一緒でしたか」
鶴丸が出迎えへ赴いたことに僅かな違和感を覚えた。
はて、今日の近侍は鶴丸殿だっただろうか。と審神者と共に此方へ向かっていた鶴丸に疑問が浮かぶ。
ああ。と軽く呼び掛けに応えた後、一期の前に留まることなく鶴丸は審神者を置いて過ぎ去った。
足早に遠ざかる白い背中に審神者は、くすり。と笑いを溢した。
「鶴丸とはさっきそこで会っただけなんだけどさ。遠征部隊が戻ってきたから自分も一緒に出迎えに行くって、やっぱり心配だったんだろうな、Aのことが」
「A殿が、ですか。……」
「まあ、鶴丸にとってはここでの唯一の兄弟だし……」
────また出逢えるとは限らないしなあ。
審神者の弱く吐き出した呟きは誰に届くわけでもなく他の音に掻き消された。
一つ残らず分けきり確認作業を終えたAは沸き起こる達成感に満足げだった。あとはもう資源を移動させるのみ、と先程聞いた運ぶ手順を思い起こしていた。
ねえ。と隣で作業していた乱に腕を引かれ、Aは考えるのを止めて隣へと視線を変えた。
「あとは資源運ぶだけだしさ、終わったらお風呂に行かない？」
「湯浴みに？」
「うん！ ボク、汗かいちゃったからサッパリしたくてさ。どうせなら、Aさんも一緒に行こ！ 昨日は時間合わなかったし……ね？」
「えーと、その……」
「だめ？」
誘いに対し難色を示し口ごもる。しかし、諦めることなくお願いとばかりに上目使いで訴えかけてくる。
乱のお願いに意思が揺れ始める。
「A。君はこの後、俺と約束していただろう」
上から落とされたその声に乱は少し頬を膨らませた。
そうでした。と思い出したように鶴丸の言葉を肯定し乱の誘いに断りを入れた。
こそり。と鶴丸は困った風にAへ耳打ちした。
「あれはさすがに断ってくれないか？」
「さすがに湯浴みは断りますよ」
「……にしては濁していたようだが」
「………………少し誘惑に負けそうになっただけです」
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メランコリー - 面白かったです。続き気になります…！次の更新楽しみです！ (2017年2月20日 21時) (
レス) id: f9cb988cce (このIDを非表示/違反報告)
桜姫(プロフ) - とても面白いです。(^.^) 更新待ってます！ (2016年3月26日 22時) (レス) id: d0cc45d452 (このIDを非表示/違反報告)
ナヌノキ(プロフ) - とっても面白いです！ 文才あってうらやましいです……！ これからも、更新 頑張ってくださいッ！！ (2016年1月1日 10時) (レス) id: e6d0dbd909 (このIDを非表示/違反報告)
ﾉ杜ﾉ(プロフ) - 時狐@in率低下さん» ご質問ありがとうございます。刀派というのは夢主の設定のことでしょうか。そのことについてですが、刀剣乱舞の公式設定で鶴丸国永が刀派なしと書かれており、その設定を使用しました。この作品では鶴丸の兄弟刀として書いているので同じように刀派なしとしています。 (2015年10月11日 0時) (レス) id: ed6c7bef4e (このIDを非表示/違反報告)
ﾉ杜ﾉ(プロフ) - 雪乃さん» コメントありがとうございます！落ちの方はまだ考え中ですが、おそらく鶴丸寄りにはなると思います。 (2015年9月22日 12時) (レス) id: ed6c7bef4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ﾉ杜ﾉ | 作成日時：2015年9月3日 17時
