【ハイキュー】彼を守るための秘密ごと【及川徹】

秘密１８ ページ20

貴方side


『あ゛ー、しんど。』




部室までやってきたが少し休憩。




とりあえずダルい。




体がなかなか言うことを聞いてくれなくなってきて、泣きそうになる。




『…あ、薬。』




ポケットから薬を取り出し、一つずつ粒を出していく。




手のひらにたくさん乗った粒は私の命を本当に長くしてくれてるんだろうか。




少しは乾いた笑いを浮かべてから、薬を飲もうとしたとき。




本当にタイミングが悪い。




「…A。」




『え、…と…おる。』




薬が数粒床に落ちた。




落ちた薬を必死に手のひらに戻す。




「何…その薬…。」




『えっ、あー、風邪がね。』




下手くそなごまかし方だってわかってる。




だけど、こうしないと私も徹も辛い思いをしなければならないの。




辛いのは私だけで充分なんだよ。




「風邪でそんなに薬飲まないでしょ？しかも、トイレ行ったんじゃないの？」




そうだよ、風邪でこんなに薬飲まないよ。




そうだよ、トイレに行ったんじゃないよ。




『…この薬は…なんでもない。部室に忘れものしてさ…。』




お願い、もうこれ以上…詮索しないで…。




「…これ以上聞いても何も答えてくれないでしょ。俺は納得してないから。」




悔しそうな表情を浮かべて徹は部室を出て行った。




私はただただ静かに目を瞑って涙をこらえた。




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