体育祭1 ページ39
『ど、どうでしょうか』
出来上がったクラスTシャツを身に纏い、長くなった髪の毛を一纏めにして、リボンを結んだ。
皐月さんは品定めをする様に上から下へと眺めて、ふむ、と頷く。
皐月「悪くないでしょう。
但しくれぐれも日焼け止めを塗るのを忘れない様に。」
皐月さんの悪くないでしょうは、いいということだ。気に入らないことがあればすぐ直すし、嫌味をいうからだ。ツンデレかよっ。
星咲なるみが完成したシャツを持ってきたのは、デザイン決めをしてから1週間もしない頃だった。
真っ赤なポロシャツに紺と白でクラスと学校名が筆記体で綴られている。
それもちゃんとした刺繍でなのでクラスTシャツ一枚あたりおいくらかけているのだろうと聞きたい。それにデザイナーさんの分まで入れたら結構かかるのではなかろうか…
下は、プリーツスカートに見えるキュロットで、通気性、デザイン、動きやすさ云々を全て兼ね揃えた最高の一品である。
ちなみに色は紺で、髪の毛のサテンのリボンと全く一緒の色なのである。噂によると、わざわざリボンを一から作らせて、同じ色に染めさせたとか…
皐月「ご両親は残念ながらお忙しいとのことですが、私がお昼ご飯のお弁当を届けがてらバレーの試合を観にいかせていただきますからね。」
にっこりと裏を含んだ笑みを浮かべた彼に、私はもうすでに汗をかいていた。
ーーーーーー
花園「おはよう、A。
何だか新鮮な感じだね。」
『おはよう、ひな。とっても似合ってるよ。』
いつも部活のものを入れている青城バレー部の白いエナメルバッグを肩にかけている。
もう少しで徹とはじめも来ると言っていたから、きっと全員でおんなじ格好になるだろう。側から見たら文化祭だか体育祭か一目瞭然なわけだ。
及川「遅れてごめーん。
おはよう二人とも」
岩泉「はよ。
こいつが赤が似合わないとか騒ぎ出してよ。」
呆れた風に横目でギロリと睨んだはじめはため息をついた。
及川「だって俺赤より白とか青の方が似合うし。」
『徹は何色でもかっこいいよ。
それに、みんなでおんなじ色っていうのも何だか嬉しいし。』
及川「うん、Aのいう通り。さ、マッキーまっつん達が待ってるから早く行こう!」
と、掌返しを0,5秒をも切る速さで成し遂げる徹は私の手を握ってご機嫌そうに、二人がまつY字路に歩いて行くのだった。
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あやにゃん(プロフ) - hatajimamomokaさん» momokaさん、コメントありがとうございます♪ 若干話が迷走してはおりますが、最後までお付き合い願えたら光栄です( *´艸`) (2020年3月7日 19時) (レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
hatajimamomoka(プロフ) - このお話めっちゃ好きです!更新頑張ってください! (2020年3月7日 16時) (レス) id: 366eb10de3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2019年11月23日 22時