おとり ページ30
意外と元気そうなAと少し話しをする。
閉められていたパーテーションは中に入るときに開け放したままで、もちろん保健室の入り口は数cmほど開けてある。
少し赤い頬にキスをして、死角になる様に彼女に隠れて耳元で今の状況を説明する。
表情がぴくりともしないのは、今まで培ってきたポーカーフェイススキルのおかげだろうか。
くすぐったいと、逆に照れる様なそぶりで俺にキスを返す。
『…なら、私が囮をする。
スマホ鳴らすから、他の人に呼ばれたことにして。』
そう言った彼女はポケットに入っているであろうスマホを布団の下で素早く操作して、俺に電話をかける。
及川「げ…クラスの男子集合？
でも、A一人にしたくないし…５分だけ？仕方ないなぁ…」
と、少し声を大きくして喋る風を装う。
『仕方ないよ、徹。
まだ文化祭終わってないんだし…私なら一人で大丈夫だから。』
一人という言葉を強調させる様に、彼女はわざとその言葉を口にした。
…状況判断が素早いなぁ…
医務室から離脱する前にもう一度キスをしようかと思ったら、今度はAのスマホがなる。
『…もしもし…あ、クロくん？
ごめんね心配かけちゃって。
うん、もう大丈夫。ステージ終わって気が抜けちゃって…』
今回のは本当に電話の様だ…
こんなタイミングにとは思ったけど、逆にナイスタイミングかもしれない。
もし、元々俺を取り巻いていた女子で、俺とAが仲良いのが気に入らないのなら、Aの口から別の男の名前が出てくるのは相当に気に入らないだろう。
『私、ちょっとクロくん達のところ行ってくる。
第三体育館の出店のところにいるんだって』
彼女はゆっくりとベッドから起き上がって、少し乱れた制服を直す。
ボタンは上二つを開けたままに、スカートはいつもより短い…嫌がらせする女子を今まで見てきたからか、煽るのに効果的なやり方はよくご存知な様だ。
及川「俺も後で行くね。」
額にキスを落として、俺は医務室を出てから教室の方へと走ってみる。
ここは一応一般人立ち入り禁止ではあるのに人の気配がする。
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あやにゃん(プロフ) - hatajimamomokaさん» momokaさん、コメントありがとうございます♪ 若干話が迷走してはおりますが、最後までお付き合い願えたら光栄です( *´艸`) (2020年3月7日 19時) (
レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
hatajimamomoka(プロフ) - このお話めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ (2020年3月7日 16時) (レス) id: 366eb10de3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年11月23日 22時
