マーメイドドレス ページ26
皐月「Aさん、お薬です。」
徹は着替え中だったらしく通話に出ることはなく、マッキー経由で連絡がいった。
回復した私は更衣室に向かえば皐月さんと、ひな、冬木さんに鍵を忘れた本人、まぁ色々と勢ぞろいしていたわけだ。
薬を吸入して、ステージの直前までソファーに座らされる。
若干酸欠で頭がふわふわするけど、それくらいだ。
薬のおかげで息はかなり楽になったし…
花園「司会の人にいろいろ挟んで引き伸ばしてもらってるから、焦らなくて大丈夫。」
ひなは私の右手をとって更衣室に歩いていく。
ゆっくりで、少しふらつく私を見て彼女は顔をしかめた。
『うん…』
てきぱきと真っ白なドレスが着せられる。
繊細なレースのハイネック、形はマーメイドドレスというやつで、膝上まではタイトだがそれより下がふんわりと広がっている。
花園「これ、及川が選んだんだよ。
最終ステージはこれだけは譲れないってね。」
背中のリボンでキュッと結び上げられ、今度はドレッサーの前で髪の毛を結い上げてもらう。
ノックが聞こえたら、皐月さんが小さくお辞儀をして入ってきた。
皐月「徹様にこれをつけるようにと…」
白薔薇と銀の髪飾り。
精巧にできた造花らしく、手に取るまで気づかないほど美しい。
編み込まれて、数分間いじられた髪の毛は綺麗なシニヨンになり、少し右の位置に髪飾りがつけられた。
多分徹の右側を歩くので左側だとあまり見えないからだろう。
首にかけていたリングをチェーンから取り外して右の薬指にはめる。
一粒のダイヤモンドが、準備室のあかりに照らされて虹の光を返す。
ーーーーーー
及川「A、無理してるでしょ」
ステージ裏で彼の右腕に寄りかかっていればそう言われてしまう。
全く無理をしていないといえばそりゃ嘘になる。…けど、ここまできてどうするというのだ。
３年５組…と私たちの前のペアが呼ばれる。
歓声とともに、黒い衣装を纏った二人が歩き出す。
沸きらない態度をとる私に彼は小さくため息を吐いた。
『っ徹…ごめんなさい…』
及川「別に謝って欲しいわけじゃなくて…ただ、Aが心配なんだよ」
彼は私の首筋に唇を這わせる。
くすぐったいとともに少し別の感情も湧き上がる。…こんな、観客の近いところで何をっ…
さて、最後のペア…と聞こえてきたところで徹は左首に痛みを残す。
『なっ…！』
動揺した私を見て艶かしく微笑んだ彼は私を抱き上げた。
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あやにゃん(プロフ) - hatajimamomokaさん» momokaさん、コメントありがとうございます♪ 若干話が迷走してはおりますが、最後までお付き合い願えたら光栄です( *´艸`) (2020年3月7日 19時) (
レス) id: 64c80b7f49 (このIDを非表示/違反報告)
hatajimamomoka(プロフ) - このお話めっちゃ好きです！更新頑張ってください！ (2020年3月7日 16時) (レス) id: 366eb10de3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年11月23日 22時
