家 ページ7
ー自分視点ー
ああやって言われた後でも流されてあげられるほど私はお人好しではなかった。
彼等と離れなくてもいいように直接交渉をして(皐月さんにも手伝ってもらって)、門限２０時という条件付きではあるが普通に学校にも、部活にも行かせてもらえることとなった。
完全に篠原家の息がかかった学校なので学校を変えようとは思ってはいなかったよう。部活は少し渋られたけれど…
登校は完全に車でということになった。
本家から行き来するためなのか、車はグレードアップされてさらに高級感漂うものになる。
それでもまだマシな方を選んだと皐月さんは苦笑いをしていた。
ようやく色々が片付いたのかお母さんが東京の赤葦家本邸から戻ってきた。
何をしてきたかとかは言ってくれなかったのは私の負担を軽減するためだろう。
今までより家の中での物理的な距離は広がったが、その代わり朝晩は必ず一緒にご飯を食べて、休日にはお茶をするようになった。
家事をしなくていいのでその点少し時間ができたようだ。
…他のことに関しての仕事は増えたらしいけれど。
徹、はじめ、そしてひなもあの家を離れて本邸の方から通うこととなったらしく、慣れない部屋に嘆いていた。
…その点私は順応性が高いのだろうか？
そもそも、なぜ一般家庭のような家で育ってきたのかとの疑問をぶつけてみればさらっと答えが返ってきた。
特に重苦しい理由でなかったので悩んだ私の時間を少し返して欲しいきになる。
母「お母さんが育った赤葦家では一定の歳まで一般家庭のように育てるのが伝統なの。
視野を広く持つためにね。
上で指示を与える人間は一番その指示をもらう人間のことを理解していないといけない。
それが赤葦家の家訓のようなものだから。」
…つまりこの実はお金持ちでした衝撃体験はお母さんもした、ということになるのだろうか…
母「私は高校進学の時に知らされて梟谷学園に進んだの。
で、高校卒業後からあの本邸から大学に。
京一くんや京治くんは最初っから知らされてたみたいね。」
私は及川の家に嫁ぎ、篠原と及川を背負うから、と少し過剰なほどに保護されて育ったらしい。
現実逃避の為に簡単にしか調べなかったのだが、どうやら徹の家、及川家は相当に大きいらしい。
判断力を養う、支える立場の者として最上の出来の子を用意する為。
つまりはそういうことらしい。
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2019年4月16日 0時
