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前夜 ページ50

烏野との奮闘を思えばあっけなく、ストレート勝ちした泉石高校。

体育館で軽くミーティングを済ませ、そこで解散する。
流石に日曜日まで学校に集まりはしない。

…と言うのは公式上は、でだけれど。

花巻「いやー…正直烏野とは辛かったな」

疲れたのか腕と首をブンブン回すマッキーがそう言った。

腕を組んで威圧感を放ちながら歩くはじめはツンと唇を出しながら数歩前に出て振り向いた。

岩泉「俺らだぞ?
勝たなくてどうするべ」

柔らかい表情には労わりや信頼が読み取れる。
いつも真っ直ぐで、正直な彼だからこその言葉の力。

胸がじんわりと温かくなるよう。

及川「もちろん明日も、信じてるよお前ら」
 
 
松川「えーこれから自主練行く今言う?」

国見「帰るとき言ってくださいよー」

金田一「おいっ国見」


徹がいつものようにそう言えば周りからはヤジが飛び出す。

確かにタイミングがアレかもしれない。

それでもやっぱり、安心感からか選手の彼等には笑顔が浮かんでいた。
 
 
ーーーーーー

皐月「お疲れ様でした、Aさん」

今日は家に帰って皐月さんと二人だ。
バッグを持ってくれる彼の隣を歩いて私の部屋を目指す。

すでに用意されている部屋着を脱衣所に持っていってベタつく体を洗い流した。

なれたフローラルな香りに包まれて緊張した体を熱いお湯でほぐすように浸かる。
ため息にも似た声が口から漏れた。

 
ふんぬふーん…

最近バレー部員の間で流行っている謎の鼻歌。
移ってしまったのかここ最近どうも頭の中をぐるぐるする。

遠くから皐月さんがご飯ができたことを知らせる声が聞こえたためゆっくりと湯船から出る。

とくりとくりと体全体が心臓かのように血液が巡る。長く使っていたのは久しぶりだからかちょっとのぼせてしまったかな。

 
とろりとした素材の服を身にまとい、階段をゆっくりとおりれば美味しそうな出汁の匂い。


皐月「できましたよ、Aさん」

優しい笑みを浮かべる彼に頷いて席に着いた。


明日は決勝戦。

マネージャーとして最大限サポートをしなければ。


改めて決心して、いただきます、と手を合わせた。

 
 

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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです!(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑!世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2018年8月19日 8時

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