従兄弟 ページ42
お母さんは忙しそうに電話をしていたので晩御飯は一人かと思いきや、机には見覚えのある顔がついている。
私の学校の保険医、赤葦京一兄さんの弟、赤葦京治。
『京治くん？』
兄の京一兄さんと似た癖毛の彼はこちらをみて微笑んだ。
謎の安心感を与える温かみのある笑みは緊張していた肩を和らげる。
赤葦「久しぶり、A。
兄さんからよく話を聞くよ。」
この前会ったのはまだ中学の時とかだったろうか？
幾分か低くなった彼の声にどきりとする。
小さな弟のようだった彼は私の身長をはるかに越している。
『私も、京一兄さんから話を聞いているからあまり久しぶりな感じがしないな…
元気だった？』
久しぶりに会う彼と思い出話に花を咲かせる。
もしかしてここに来る私の為に誰かが彼を呼んだのだろうか？
だとしたら明日も学校があるだろうに迷惑をかけるな…
彼とてインハイ予選があるはずなのに。
心を読むスキルでも会得したのか、京治くんは先回りして私に言う。
赤葦「気にしなくていいよ、A。
確かに俺は呼ばれたけど…来るかこないかの自由はあった。」
一つ年下なはずなのに妙に大人びて得る彼は私を言いくるめる。
その時の動作が少しまっつんに被って見えた。
カニ雑炊なるものに、数品のおかずを食べ終えた後、私は赤葦邸内を案内してもらっていた。
たまに遊びに来ているのか京治くんは邸内をよく知っていて、中庭などを見せてもらう。
ナデシコや紫陽花が日本庭園によく映える。
夜空の下の紫の花々には惹かれるものがあった。
「多分この家は京一兄さんが継ぐから、俺はそういうことは教えられてない。
だから、あんまり頼りにはならないかもしれないけど…A、いつでも頼っていいからね。」
夜にしては暖かい風が彼の癖毛を揺らす。
少し苦しげに微笑んだ彼は私に軽く腕を回して、子供の頃、私が彼にしてあげたように、あやすような手つきで背中を撫でた。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです！(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (
レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑！世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2018年8月19日 8時
