朝練2 ページ27
もうすぐインハイ予選ということで少しピリピリしている選手たちを眺める。
今怪我をしてしまっては元も子もないのでメニューは軽めに。
でも、苦手をとしている分野を徹底的に、というのが徹から渡されたメニューだった。
『はじめ、もう少し肩の力を抜いて』
花園「おいかわあっ!また足怪我したいのかっ!」
サーブが決まらなくてイライラと謎に走っている徹にひなが喝を入れる。
花巻「及川怒られてやんのー」
ケラケラと笑いながらマッキーはベンチの飲み物を手にした。
もうそろそろ朝練の時間も終わりに近ずいているので選手を呼び集める。
浅野「みなさんストレッチをしながらこれからのことを説明しますね。
あ、先輩が。」
マッキーと同じピンクのポニーテールが揺れる。
癖がある髪はゆるりと巻かれているようで彼女の可愛さを引き出している。
花園「ーーーなので来週の月曜日28日は午後練だけ行い、金曜日1日は土曜日に万全で挑むために少し早めに切り上げます。」
早めに切り上げても19時なのだから、ブラック会社ならぬブラック部活のような気もする。
と、まぁ冗談は置いといて。
『詳しくはまた来週伝えます。
今日の朝練は解散!』
うーっすと聞こえてくる声に耳を傾けながら、ボールを拾い、体育館を軽く清掃する。
部員が部室から出た後の時間に制服に着替えねばならない。
一年の頃は部員が出るのが遅くて遅刻をしたりもしたが徹が部長になってからそれはなくなった。
さすが彼である。
やはり、カリスマ性というやつだろうか、及川のおじいさんから受け継がれているのだろう。
浅野「先輩、それ苦しくないんですか?」
あわわ、と言った表情で私の体を締め付けるコルセットを指差す。
純白のそれはキャミソールと若干同化していても存在感を放っている。
矛盾しているな。
『苦しくないといえば嘘になるけど…
外した時の方が苦しくなるのは目に見えてるから』
乾いた笑い声が私の口から漏れる。
緩めたら皐月さんに微笑まれながらギリギリと締め上げられるであろう。
私はまだ命は捨てたくはなかった。
ひなは無言で察してくれたのか、ついでに合掌までされてしまった。
これではどのルートを辿っても私が死ぬバッドエンドしかないみたいじゃないか。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです!(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑!世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2018年8月19日 8時