朝練 ページ26
朝からなんとも衝撃的な出来事がこれから毎日起こるのかと想像するだけで頭痛がする。
ストレスも偏頭痛の原因だな、と考えれば皐月さんが鼻で笑った気がした。
解せぬ
締め付けられたお腹のせいでそもそも少ない朝食の摂取量が半分に減ってしまい、逆に皐月さんに心配される始末。
元はと言えば皐月さん、貴方のせいだ。
母「もう食べないの?
オレンジジュースだけでももう少し飲んで行きなさい。」
今までとは少し別の服装をしたお母さんがそう言った。
途中からは少し哀れみのトーンが入っていたのできっと理解してくれたのだろう。
その証拠にオレンジジュースを持ってきてくれた。
『お母さんはこれからまたどこかへ行くの?』
よそ行きのワンピース姿は一児の母とは思えぬ綺麗さ。
私が言ってもマザコンの一言で蹴られてしまいそうだが。
母「えぇ、お父さんと一緒に東京の本邸に少し戻らなきゃいけないの。
だから今晩は徹くんのところに行ってらっしゃい。」
家族(一族?)公認の仲だとそうなってしまう。
とはいえ間違いは犯せないのでそこがまた少し難しいところではある。
『うん。
気をつけて行ってきて。』
食器を台所にかたずけ、皐月さんからカバンを受け取る。
地下へと続くドアの前でお母さんと少し話して、行ってきます、と告げた。
相変わらず音を立てずドアを開閉する彼に感動を覚えながら、車はひなの家の前で止まる。
皐月「雛乃さま」
名を呼ばれた彼女は同じく後部座席に座り、革の座席に身を委ねた。
あたりはもう明るいものの、7時前の住宅街は静かなものだった。
たまに犬を散歩させている人にすれ違ったりもするが、基本的に同じく朝練があるであろうスポーツバッグを持った生徒がポツリポツリと歩いているだけだった。
外を見ていれば一瞬でついた学校の門で生徒手帳を見せて中に入る。
部室にはまだ明かりがついておらず、私が持っている鍵で開け、ジャージに着替えた。
花園「そいえばA。
最近は体調大丈夫なの?」
鉄柱を運びながら彼女は聞いた。
『うん、ここ最近は大丈夫。
なんでだろう…管理されてるのかな』
悪魔の角を生やした皐月さんが脳内をよぎる。
浅野「先輩!遅れてすみません。」
想像を消し去るように体育館のドアから可愛い声が響く。
まだ7時。開始までもう少しあるので遅れてはいないことを伝えると彼女はふわりと笑った。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです!(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑!世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あやにゃん | 作成日時:2018年8月19日 8時