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校内 ページ19

おはよう、と声をかけてきたのは特筆するほど知っているわけでもないクラスメイトA-Gくらいである。

ひなは少し顔を歪めながらも普通に挨拶を返した。


花園「言い方は悪いけど、この前のことでAのことは知れ渡ってるから。
気をつけて。」

声を潜めて私の耳元で囁いた。


やけに友好的そうでありながらも獲物を狙うような目はこういうことだろう。

わかってはいたような気はするが、ここまで露骨だと苦笑いもできない。
虎視眈眈と私が席に着くのを待ってから一斉に集まってくる。


「ねぇ篠原さん、もしよかったら今度の休日にでもショッピングに行かない?
私のお父さんが…」

どうやら及川徹の幼馴染みだけの特筆すべきところはない一般人らしき人物がお金持ちだと知った途端我先にと関係を作りにきたらしい。

『えぇ、嬉しいのだけどインハイ予選が近いから部活が忙しくて…
もし時間に余裕ができたら是非ご一緒させてほしいな』


当たり障りのない返事をしたら満足したのか彼女は笑って座った。

田中さん(仮)だったかな。


そうやらこの返答は当たりだったようで周りの生徒たちは仕方ないなー、と席に戻る。

その中でクラス委員長の冬木さんだけが少し神妙な顔をしていた。
と思えば、見間違いかと思うような完璧な優等生の表情をした彼女が現れる。


ーーーーーー


校内を歩くときも視線を感じた。


表立って見られている感はないのだが、どうしてもチクチクと感じる。


花園「…まぁ、うちの学校はこの辺のの資産家の子息は来るから。
もちろん、その中でも家柄は色々ある。

私達は、その中で見ても上の方にある。
それに寄付金をかなり出しているから…まぁ、そういう事。」


だから、実質この学校は私達のためにあるようなものだ。

彼女の言葉で少しぼーっとする。


篠原の家は、特筆して頭がいいわけでも運動神経がいいわけでもない娘のためにここまでするのか。

いや、ここまで、とすら思っていないのかもしれない。
これは子供の教育に必要なことであるとだけにしか思っていないのか…?


『…正直、よくわからないな。

これまで私は少し裕福かな、くらいに思って小学校、中学校と通って、高校は少し特殊だと思ってた。
でも、ここまで次元が違うと…何だろう。』

乾いた笑いが人気のない屋上へと続く階段に響いた。

 
 

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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです!(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑!世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あやにゃん | 作成日時:2018年8月19日 8時

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