準備 ページ11
土曜日
私は朝から本邸へと連れていかれ、ドレスの試着、エステ、何やらのスピーチの練習を訳の分からぬままさせられていた。
周りには怖い顔をした大人ばかりで気の休まる暇もない。
皐月「ここの文章の後は１テンポおいてから、会場の皆さんに響き渡るように」
声の良い男性、スピーチの先生(？)の
解せぬ。
『…そもそも、このスピーチは一体…』
読むことに必死で内容が一切入ってこない。
いや、入ってきたとしても理解が追いつかなかった。
皐月「本当に何も知らされてないんですね
…社長令嬢というのも難しい…
明日のパーティーはいわば、跡取りとしての世間へのお披露目パーティー。
業界の関係者に挨拶をして、貴方の存在を広めることを目的とした…」
ネットで調べた私の家のこと。
それらを知ってからくるのではと予想していたのがもう来るとは…
まだ私が家のことを知らされてから、つまりパーティーが企画されてからそう長い時間も経っていないのに、”業界”の人たちを集めれる権力。
私は、なんて家に生まれてきてしまったのだろうか。
ーーーーーー
皐月「とりあえず、今日はここまでです。
明日は朝は遅いのでゆっくりお休みください。」
どうやら、スピーチの先生ではなく皐月さんは私の専属使用人、なる人物らしく、どこへ行くにも私を案内してくれた。
大きなお風呂でのバスタイムの後、通された部屋はきらびやかで、一般の家の天井の２倍ほどは高い。
壁はシミひとつなく真っ白で、少し目がくらみそう。
それに調度品もどれも高級そうなものばかりだ。
皐月「他に何か必要なもの、あるでしょうか？」
背の高い彼はゆっくりと私の高さまで腰を降り、かがむ。
サラリと艶のある黒髪を耳に掛け直す姿は徹と違ったかっこよさがある。
『皐月さんは…お母さん達がどこにいるか知ってますか？』
部屋の窓の近くにあるテーブルにハーブティーを用意する彼は私に椅子に座るように促す。
透明のポットが薄いピンクのお茶を綺麗に見せる。
皐月「お母様の方は確かご実家にいっらしゃるはず。
お父様はこのお屋敷のどこかに…」
花が浮いたお茶を優雅に注ぐ。
窓から注がれる青白い月の光に照らされて、間接照明だけの部屋の白い壁はピンクに染まる。
甘酸っぱい花の香りが部屋を満たした。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです！(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (
レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑！世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2018年8月19日 8時
