バルコニーで ページ14
皐月「さぁ、お父様のところに戻ってください。
牛島家女当主とご子息がきました。」
ミネラルウォーターの入ったグラスを持たされ、お父さんとお母さんの元へ急かされる。
私は操り人形にされている気分だ。
『っ！
若利さんじゃないですか。』
牛若とばかり呼ばれているので牛島姓でピンとこなかったが、この人か…
牛島「あぁ、青城の篠原か。
久しぶりだな。」
牛島母「バレーの方で知り合いだったわね。
よかったら若い者同士話していらっしゃい。」
…”牛若”とはいえこのお披露目パーティーから出れるのであれば私は嬉しいが…
わざわざパーティーを開いたのだ。
主役(？)が行ってもいいのだろうか？
同意を求めるようにお父さんをみると、肯定の頷きが見える。
若利さんと共にバルコニーに出ると、すでに徹がそこで待っていた。
及川「げっ…牛若」
牛島「あぁ、及川か。
元気にしていたか？」
及川「まぁね」
少し嫌そうな顔をしながら彼に見せつけるように私を引き寄せた。
腰に回された手は暖かく、どこか安心する。
牛島「相変わらず仲が良さそうだな…
２人で白鳥沢に来る予定は」
及川「ないね。」
木製のベンチに彼が座り、膝の上に座るようにポンポンと手で叩いた。
体重をかけまいと少し足で踏ん張っていたら後ろから腕が回り、引っ張られる。
足から力が抜けて彼に全体重を預ける形になった。
及川「別に重くないんだから、気にしないでよ。」
牛島「２人は仲がいいな…俺には幼馴染というものがいないからな」
ふむ、と顎に手を当てて若利さんは考えるような素振りを見せた。
朱色に紫の雲が眩しいのか少しまばたきの回数が多いのに気づく。
だからと言ってどうということはないのだけれど。
『若利さんって、家のこととか、どうなんですか？』
聞いた後にこの質問はまずかったかな、と少しばかし後悔した。
まだ私は家のことはあまり告げられていない。
それに、家のことを聞くのはここではタブーかもしれないし何より、私は関係のない他人である。
牛島「あぁ、後継とかについてか？
俺は特に何も言われてはいない。
バレーのU19日本代表に選ばれているからな。
ただ、苦労したことはないが、勉強はちゃんとしろと常に言われていた。」
特に気にするような素振りは見せず、彼はさらっと答えた。
徹は嫌味か…と言いたげな表情で若利さんを見上げた。
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あやにゃん(プロフ) - 紅葉さん» 一章と二章、どちらにもコメントくださって嬉しいです！(皐月さんは私の好みモロ出しにしてみました笑) そうですね、今作品のテーマは世界観や視点が変えられること、そして変えざるを得ないことでして…(でもやっぱり表現が少し大袈裟なので文章力が欲しいものです笑) (2020年6月2日 16時) (
レス) id: 41b9de9ad7 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉(プロフ) - が、頑張れ篠原ちゃん……(その一言に尽きる)。皐月さんが好きです笑！世界観がどんどん広がっていくのがわかって楽しいです。 (2020年6月2日 10時) (レス) id: 7ac5223945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あやにゃん | 作成日時：2018年8月19日 8時
