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いつの間にか帰ってきていた相馬さんに起こされたのがついさっき正午過ぎ。
私とマホトさんはリビングへと顔を出した。
まだ相馬さんもお昼を食べていないと言うことだったので、一応泊まらせてもらう身として昼食を作ることにした。
冷蔵庫の中にはあまりものが入っていなく、全くないというわけでもないのだが、皆で暮らしているにしては少ないように感じた。
中をみると、炒飯ぐらいしか作ることができなさそうだ。
「マホトさーん、フライパンってどこにあります?」
リビングのソファに座り、ボケーっとしているマホトさんを呼ぶと、まだ眠いのか、少しフラフラしながらこちらへと歩いてきた。
そしてある戸棚を明け、そこからフライパンを取り出した。
「すみません、ありがとうございます。」
フライパンを受け取ろうとした。
「…。」
「うぉ」
マホトさんは会う度に変になっていっていると思う。
いきなり覆い被さるように抱きついてきた。
「マホトさーん、作れないですー、離れてくださーい。」
「んー…」
冷静に、落ち着いて話しかけていたが、内心抵抗できないほどに固まっていた。
自分より身長高い異性に抱き締められたらそりゃ緊張するに決まってるのに、相手は色々と複雑な気持ちをもっている人ときた。
ああ、いい匂いするな、落ち着くな、なんて考えていた。
「マホトー!そろそろ離れなさーい!」
察したらしい相馬さんに助けられた。
「相馬さんありがとうございます。」
「いいのいいの、ごめんねーマホトが」
まるで親のようである。
でもまあ、本当に、マホトさんには苦労させられている。
何て言ったって対処法がわからない。
「で、今の心境は!」
「へ?」
「今の気持ちをどうぞ!」
カメラもなんもないのにこんなことを聞くなんて、と多少疑問に思ったが、そんなに遊んだことがあるわけでもないのでこういう人なんだろうと自分の中で解決させて答えた。
「そうですねー、すごい固まっちゃってたんですけど、なんか安心しました。」
「おぉー、いいねぇ」
いやなにが。
この相馬さんの不振な行動に、もっと警戒していればよかったのに。
私は時々、YouTuberだということを、忘れてしまうのが悪い癖だ。
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りょん(プロフ) - ありがとうございます!リクエストなんですけどしばなんの女性YouTuber運動会のお話書いて欲しいです!よろしくお願いします! (2020年2月26日 22時) (レス) id: 8a75743a1a (このIDを非表示/違反報告)
美羽(プロフ) - りょんさん» 大丈夫ですよ〜ぜひぜひ! (2020年2月24日 20時) (レス) id: 73cbae2840 (このIDを非表示/違反報告)
りょん(プロフ) - とても面白かったです!更新待ってます!突然なんですがリクエストって受け付けてますか?? (2020年2月24日 16時) (レス) id: 8a75743a1a (このIDを非表示/違反報告)
あずま(プロフ) - 更新待ってマース! (2019年5月4日 15時) (レス) id: 40fd5da7d9 (このIDを非表示/違反報告)
まりこ - 更新待ってますー! (2018年11月20日 17時) (レス) id: b7f5b4cae1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:美羽 | 作成日時:2017年11月13日 21時