▽二十五通目 ページ2
国見side
今日は朝練、放課後の部活が共にないためジャージも着ず、持たずで済む。
そう思いながらワイシャツのボタンをとめる。
昨日ぶつかった女子も少し気になるけどやっぱりあのラブレター少女が気になるな。あれほど大騒ぎしといて犯人探しをしない及川さんの代わりに一足早くその子を探してしまいたい。
ああ、やっぱり俺らしくない。
なんでわざわざ面倒臭いところに首を突っ込もうとするのか。
しかもあの及川さんのことで何故動いてしまおうとするのか。
自分が自分で分からなくなる。
でも、普段気力皆無な俺が直感で気になるのなら余程のことなんだ。
だからやろう。
さっきから手を動かしながらこんなことばかり考えていた。
何をやっているのだか。
というか、
あの二人(花巻さんと松川さん)があんな会話をしなければ、そもそも俺の好奇心をくすぐることは無かったのだ。
かなり酷いかもしれないが、少し苦手意識増しましたよ、俺。
ネクタイを締めながら、はあと深い溜め息をつく。
仕方ない。
今日の放課後は待ち伏せでもするか。
金田一に一緒に帰るのを断るのが面倒臭いけど。
犯人が分かった暁には、この好奇心をくすぐった先輩方への腹いせに少し楽しんでやろう。
俺は心の中でそう決心した。
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作者名:すず乃&46ねこ | 作成日時:2015年10月5日 22時