十九通目 ページ20
Aside
やっちゃった。
やっちゃった。
……ほんと、やっちゃった。
苦しい。息が、苦しい。
学校から結構離れた家へと、走って。走って。
息はもう荒れに荒れて、今自分はすごい顔をしてるんだろうなって、冷静に考えている自分もいて。
でも、それよりも。
「……っ、私のばか……」
なんで、体育館の前を通っちゃったの。
「ほんっと、ばか……」
しかも、バレー部の体育館を。
運悪く、バレー部の人と出会ってしまった。
ついてない。
暗くてよく見えなかったけど……
あの高身長。
あの声。
バレー部のことはあまり知らないけど、あの人は知ってる。
そんなことを考えていたら、ふわりと頭の中に浮かぶあの人の顔。
……国見、くん。
……えん、そうだ。きっと、絶対そうだ。
同時にかあっと顔が赤くなるのが分かった。
国見くんは、いつも無表情って感じで眠そうだけど。
裏で、なんか考えてそう、だし。
もし、会ったのが私だってバレてたら。
もし、それを及川先輩に言っちゃったら。
もし、それで及川先輩に私がラブレターを送っている張本人だとバレてしまったら。
悪い考えは、入道雲のようにもくもくと広がって、私の心を一気に覆い尽くす。
それを考えないように、頭をぶんぶんと振り回して家路を急いだ。
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革ベルト
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46ねこ(プロフ) - 続編、出来ました。よろしくお願いします。 (2015年10月5日 22時) (携帯から) (レス) id: 50f32b6bab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず乃&46ねこ | 作成日時:2015年9月7日 17時