【及川徹】無記名ラブレター【ハイキュー!!】 (ページ17)

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▽十六通目ページ17

Aside

私は先輩の教室に着くと、誰もいないのを確認して入った。

もう、数回同じことをしているけれど

慣れない。

まだ心臓は廊下に音が響きそうと感じさせるくらいドキドキうるさいし、足は少し震える。

それでも思いを伝えようとする気持ちが少し分からなくなってしまってる自分がいる。

私はいつもの席に近づき、そっと手紙を入れた。

「ごめんなさい。」

そう一言添えて。

いつ誰が来るか分からない教室。

一刻も早くここから立ち去った方がいいに決まっているが、私は何故か先輩の席に腰を下ろした。

先輩がいつも見ている景色を見たかったからかもしれない。

先輩の目に

黒板はこう映っている。

先輩の目に

窓からの景色はこう映っている。

先輩の目に

時計はこう映っている。

すべてを確認したあと、私は思った。

先輩の目に

私やこの手紙はどう映っていますか?

そんなことの答えを求めたって結局知ったところで後悔するだけ。

そんなの自分が１番分かっている。

でも少しだけ…少しだけ希望を持っても、

先輩は許してくれますか?

心の中でそんな問いかけをしても、返事は返って来ないけどね。

はあ、と溜め息をついて私は先輩の教室から立ち去った。