十一通目 ページ12
Aside
夜、私はなかなか眠れなかった。
昨日の手紙、読んでくれたのかな……
入学式を迎えた時と同じくらいの、緊張と、不安と。
その2つが入り混じって頭の中はぐちゃぐちゃで。
「……よし、行こう」
でも、そんなことで学校を休むわけには行かないから。
履きなれた靴の紐をきゅっとくくり直して、家を出る。
どくん、どくん。
今行けば、ちょうど朝練が終盤に差し掛かったところだ。
少しだけ、少しだけでいいから……覗いてみよう。
体育館の扉は、ほんの少しだけ隙間開いていた。
「……あそこ、なら」
でも。
「……え……っ……」
そこにいる及川先輩は、いつもの及川先輩じゃなくて。
よく見ると、どことなく集中していない、そんな表情を浮かべていて。
直感的に、私のせいだ、って思っちゃって。
「……ごめん、なさい」
思えば思うほど、自分が許せなくなってきてしまう。
それでもなお、手紙をまた渡したいと思い続ける、私は。
「……ごめん、なさいっ……」
自分をせめることしかできなかった。
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46ねこ(プロフ) - 続編、出来ました。よろしくお願いします。 (2015年10月5日 22時) (携帯から) (レス) id: 50f32b6bab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:すず乃&46ねこ | 作成日時:2015年9月7日 17時