狗巻ちゃんは人見知り【呪術廻戦】【ヒロアカ】 (ページ16)

今日:3 hit、昨日:10 hit、合計:214,703 hit

居場所ページ16

Aside

メイドに当主の所まで案内された。

A｢っ、…ご無沙汰しております。当主様…｣

当主｢…ああ。｣

母｢雄英の護衛をしているそうね｣

綺麗な着物に包まれた母は私を見下す。

息が詰まりそうな空気に吐き気が込み上げてくる。

A｢は、はい。｣

母｢棘も一緒にと聞いてます。｣

……。

母｢どういうつもりなのかしら。まるで棘が付き人のようではないですか？｣

立ち上がった母は私の前までくる。

下げたままの顔を上げられず、震える。

A｢も、申し訳…(バチン｣

右頬に痛みを受けた。

口の中を切って血の味がする。

A｢従うべき相手を使うなどと身の程知らずめ！｣

当主｢止めなさい。お前こそ身の程をわきまえろ。出ていきなさい｣

当主の言葉に母は口を閉じ、何も言わず部屋を出た。

沈黙が更に緊張感を掻き立てる。

先に口を開いたのは当主だった。

当主｢A、高専はどうだ？｣

思いもよらない言葉に驚きを隠せない。

当主、父は今まで私に興味を抱くことも無く関わる事は一切なかった。

その父がそんな言葉を口にするとは…

A｢良くして頂いております。次期当主様も気にかけて頂いて…｣

当主｢そうか。母も言っていたが、わきまえて行動しなさい。1人でも十分な任務に次期当主を巻き込むなどあってはならん。

お前の人見知りは知っている。だがそれを甘えにするな。良いな？｣

多くは語らない。と言うように父はこれ以上口を開くことはなかった。

警告…だよね。

次期当主に迷惑をかけるな。と

部屋を出た私は涙を流す。
好きで人見知りになったわけじゃないのに…

ここに私の居場所はない。
普通の家に生まれていれば兄とも普通の兄妹として過ごすことができたのに。

A｢ぐす、…お兄ちゃん…｣

,

,

,

家の門を出ると五条悟先生が待っていた。

五条悟｢………。帰ろっかA｣

私の右頬を見た先生は薄く笑い、優しく撫でた。

何故か今日は先生に恐怖を抱くことは無かった。
むしろ先生の優しさに涙が溢れる。

そんな私を先生は抱きしめた。

補助監督さんが迎えに来て先生と一緒に高専へと戻った。