夢でいいから……

いつも君は……　中間淳太 ページ17

淳「A！はよ来な置いてくで！」

『えっ！ま、待ってよ！』


誰かにぶつかると同時に目を瞑る。

目を開けたら

『あ、れ……淳太？』

さっきまで砂辺に居たのに今は白い

ベッドの上。さっきまで隣に居た

大好きな人は居ない。

『また……夢？』

いつも、いつの間にか隣にあの人が

いて。でも目を開けたら居なくて

『どうすれば……ずっと隣に居てく

れるの？』

昨日だって“大好き”って私が言ったら

彼は“俺やで”って言ってくれた。

なのに気付けば何処にも居ない。

私が大好きな人は中間淳太って言うの

でも……ある日、交通事故で帰らぬ人

となって夜空に旅立ってしまった。

“いつも一緒やしな！”とか“俺より先へ

進んだらあかんで？”とか言ったのに

私よりも先に進んで。今は一緒じゃ

なくて。寂しくて仕方ないの。

そして今日は淳太の命日。

今年も淳太のところに行く。

周りを綺麗にしてお花を代えて

線香をつけて手を合わせる。

『ねぇ淳太？今日、淳太の夢見たの…

淳太ったら私のこと置いてこうとする

んだよ？酷いよ……私、ほったら

かして……』

つい零れた涙。ねぇ……あの日から

淳太が好きって言ってくれた笑顔が

上手く出来ないの。その代わり泣く

ことが増えたの。

『そろそろ帰るね？また来るから』

時計を見たら来てから30分も経って

いた。




40分後家についてソファーに倒れ

込んだ。

机の方を見ると見覚えのある淡い黄色

の封筒があった。

『これ……淳太の……』

その封筒は私達が付き合って2年目の

記念日のとき手紙を書いてくれて。

その時に使っていた。

でも今その手紙は大事に引き出しに

入れてある。

裏には“淳太より”って書いてある

私はそっと封筒を開けた

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