ド派手な継子 弐

伍拾陸話 毒の糸 ページ9

「そんな…ことより！操られてる隊士達がちょっと増えてないか？ちょっとだけど……」

「まぁ死体の数だけ増えますからねぇ…」

「お前…！その姿でそんなこと言うな！怖ぇよ!!」





そうか、能面の顔でこんなこと言ったら軽い怪談みたいなもんか。




「楽しい雑談中悪いけど死んでくれないかな？」



なにかが勢いよく飛んでくる。

すぐさま避けるも羽織が掠ってしまった。




「溶けてる…………」

「毒なんだ………女の子だしあんまりいたぶりたくないから素直に当たってくれれば良かったのに。」



暗闇の中から顔を出したのは先程見た少年の姿をした鬼に似ている幼い鬼だった。





「兄さんも姉さんも誰にも触れさせないよ。」

「姉？男と女、どっちが多いの？」

「おい！敵の家族構成を気にしてどうすんだ！」

「男は四人。女は二人いるよ。」

「お前も答えんのかい！」



村田さんが全力で突っ込みしてくる。

なんだか不死川さんのあの血管破けそうな突っ込みが恋しい……




「まぁ、兄さんに殺せって言われてるし悪く思わないでね。」




血鬼術“毒鉄糸”





ビィイインという音ともに糸が彼の着物の袖から勢いよく噴射される


刀でそれを流すが糸はまた自分に迫って来る。





「村田さん！」

「大丈夫だ！！」



彼もギリギリかわしたのか無傷でいる。

触れたら毒だし死ぬかもしれない。


「村田さんは操られた隊士をお願いします。」

「……分かった。死ぬなよ。」

「当たり前です。」



死んだら師匠が地獄まで追っかけて来るからね………


「――――唄の呼吸 伍ノ型"静音の唄頌"」



背後に回り勢いよく鬼の首元をつこうとするが糸によって弾かれる。



「無理だよ。君の呼吸は静かだけど俺の糸は敏感なんだ。すぐ気づいてしまうよ。」





危機察知能力が高い。

どうやら私と相性がとことん悪い相手だ。

少し厄介な奴と当たってしまった。

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