伍拾肆話 触覚 ページ7
「僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するな」
………家族?
少年の姿をした鬼は静かにそう告げる。
基本的に鬼は群れない。仲間意識を持たないし目の前に人間がいようものなら取り合い殺し合う。
選別の際に嫌なほど見た。
その鬼は一見浮いているように見えるがよく見れば細い糸の上に立っていた。バランスいいな……
「お前らなんてすぐに―――――“母さん”が殺すから。」
母さん……じゃあ父さんとか姉ちゃんとかもいんのかな……だとしたら面倒だ。
さっきの雰囲気は恐らくあいつが十二鬼月。その母さんとか言う奴もそこら辺の鬼よりも強いだろう。
「オラァ!!」
操られた隊士の背中を踏み台にして伊之助が跳躍して刀を奴に振るう。だがあと少しという所で刃は届かなかった。
「くっそォ!!どこ行きやがるテメェ!勝負しろ勝負!」
「伊之助くんじゃそいつに適わない!一旦落ち着いて!」
「あの子は恐らく操り糸の鬼じゃないんだ。だからまず先に…」
「あーあーあー!!分かったっつうの!鬼の居場所を探れってことだろ!?」
うるせぇデコ太郎と、ぼやきながら伊之助くんは刀を地面に刺して両手を横に構える。
普段から半裸で過ごす彼。恐らく触覚が優れているのだろう。
「見つけたァ!そこか!!」
思ったよりも早く居場所が見つかった。
炭治郎といい彼といい…彼らは五感の一部が異常に優れている。
これは長所でもあり短所でもある。
その時、私はこちらに向かってくる嫌な気配を察知した。
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佑奈(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!これからも応援してます! (2020年8月28日 13時) (レス) id: 4ea904291e (このIDを非表示/違反報告)
餡蜜 - 不死川さんと宇随さん、面白いです。フフフッ (2020年8月8日 19時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごい文才だと思います!私、応援しています! (2020年4月22日 16時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
寧夏(プロフ) - て、、低評価が着いたのですか…作者様の作品はすんばらしいので自信もってください!…私に言われても変わんないか笑評価して続編移ります!相変わらず最高です! (2020年4月5日 7時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
サクラミ - 面白すぎて辛いwww もうほんっとに大好きです! (2020年3月28日 9時) (レス) id: 2718317c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2019年12月11日 13時