捌拾壱話 見返り美人 ページ35
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「不死川さん。鼻血出しちゃったんでしたっけ?」
「誰から聞いた………」
「師匠から詳しく聞きました。その後私はカナヲちゃんに喋って胡蝶さんもアオイさんに話してました。」
「どいつもこいつも口がかりぃな…」
青筋浮かべて怒る不死川さんの隣に座る。
甘味処でちょうどおはぎを食べている不死川さんと遭遇したので世間話でもしようと話しかける。
「毎度毎度俺のとこに来やがって……宇髄のとこ行けやぁ」
「あの野郎は私の編み上げの長靴で生け花しやがったので喧嘩中でここ最近口聞いてません。」
「何やってんだアイツは。」
任務に行くため玄関で靴をはこうとしたら自分の靴から色とりどりの花が咲いていた衝撃を 私は永遠に忘れない。
「おしゃべりしましょーさねみくーん」
「黙れ」
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「兄ちゃん…………」
目の前に大きな影が現れて視界が暗くなる。
前を見れば選別の際に荒れていた特徴的な髪型をした少年が立っていた。
「(――――――すごい大きくなってる………)」
これが成長期というものか。ガタイもしっかりしておりだいぶいかつくなっている。
しかし彼の登場で場が一気に冷える。
「何が兄ちゃんだァ……俺に弟は居ねぇ。今すぐ消えろ。」
「!」
「いやいや何言ってんですか、さねみん。瓜二つじゃないですか。」
「てめぇも黙ってろA。」
思わず肩が震える。いつもみたいに顔面兵器とかクソ女じゃなく名前で呼ばれた。
ガチで黙っとけってことだ。
「分かったらとっととここから去れ……」
「………ごめん」
「あっ、」
弟くんは泣きそうな顔をしながら駆け足で去っていった。
「待って!」
「追うんじゃねぇ!」
「うるせぇ!お萩柱!」
「ぶっ!!」
条件反射で追いかけようとしたのを不死川さんに止められたので振り向きざまにお面を取って攻撃した。
しかし私の顔に慣れてきたのか不死川さんは、鼻血の出る鼻を手で覆いながら恨めしそうに私に手を伸ばす。
正直言って怖い。
「てめぇ……次会ったら殺す!」
「まじでごめんなさい!!」
膝をつく不死川さんを置いて彼の弟の背中を急いで追いかける。
余談ですが先程の技は顔の呼吸 ニノ型“見返り美人”だそうです。
師匠が一晩寝ずに考えたらしい。真面目に奴は馬鹿なのかもしれない。
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佑奈(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!これからも応援してます! (2020年8月28日 13時) (レス) id: 4ea904291e (このIDを非表示/違反報告)
餡蜜 - 不死川さんと宇随さん、面白いです。フフフッ (2020年8月8日 19時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごい文才だと思います!私、応援しています! (2020年4月22日 16時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
寧夏(プロフ) - て、、低評価が着いたのですか…作者様の作品はすんばらしいので自信もってください!…私に言われても変わんないか笑評価して続編移ります!相変わらず最高です! (2020年4月5日 7時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
サクラミ - 面白すぎて辛いwww もうほんっとに大好きです! (2020年3月28日 9時) (レス) id: 2718317c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2019年12月11日 13時