ド派手な継子 弐

伍拾玖話 考え事 ページ12

「この薬を蜘蛛となった方々に打ってください。」

「承知しました。」



預かった薬を隠に渡し指示を出す。

カナヲとは会えたが森の奥にまだ鬼がいるらしく結局私がこの場を一任することとなった。

階級もそれなりに上ですからね。



「まぁカナヲに言われた通りのことを言えばいいだけか……」



薬も渡したし隠の人達は注射も打てるしほっといても大丈夫だ。


「蜘蛛化が進んでない人を優先に。私は付近の鬼を殺しておきます。」

「お気をつけて。」




見回りに行こうとした瞬間視界の隅に見慣れた金髪が見えた気がしたが見間違いだと思い足を止めなかった。


それにしても人間を蜘蛛に………

気持ち悪い。反吐が出る。




「吟河様。この後の柱合会議に今回の任務についての報告があるとのことなので……」

「分かった。終わり次第すぐに向かう。」




はぁ、柱超怖い……


やだぁ……会ったことない人が大半だけど怖ぇよォ………


師匠と不死川さんと胡蝶さんだけなら喜んで行くのに…いや、喜びはしないか。




「炭治郎は大丈夫かな。」



きっと禰豆子の件はもうバレてる。

隊立違反だし処罰は免れない筈だ。




「人を喰わない鬼か………」


そんなのいるはずない。じゃないと空腹で苦しくなる。三大欲求である食欲が満たされない。


でも、もしかしたらって思ってしまった。
あの時、頭を撫でられた時……少なくともその時は私を食料として見てなかった。


「…………」


もういいや。疲れた。

このあとは会議に召喚されてるし報告内容でも考えておこう………

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