漆拾壱話 アドバイス ページ24
「炭治郎」
「A!」
縁側で黙想をしていた炭治郎に話しかける。
閉じていた大きな目を開いて炭治郎は駆け寄ってくる。
「全集中の“常中”の修行?」
「あぁ、すごい難しくて……」
バツの悪そうな顔をする様子を見る限り苦戦しているようだ。
私も師匠達に殺されかけてようやく習得したしなぁ…
「確かAも常中が出来るよな。なんかコツとか教えてくれないかな?」
「コツ……」
改めて説明しようとすると中々難しいな。
「まず肺を鍛えたら?全集中の呼吸を何時間も続けて耐えられる体を作らないとね。」
「なるほど……」
「私が師匠にやってもらった修行だと寝ている時とか日常生活で常中をやめたら苦無を投げられたから炭治郎もそういう感じのやってみたらどう?」
「俺は今君の凄まじい生命力を改めて痛感したよ。」
炭治郎が憐れみの目を向けてくる。そう言えば私はよくあんな
「まぁ、それはすみちゃん達に頼んでみるよ。」
「何…すみちゃん達に包丁でも持たせんの?」
「違うよ!」
引いた目で見れば必死に誤解を解いてくる炭治郎。からかってるだけなのに本当に馬鹿正直な奴……
「まぁ、頑張れ。」
「ありがとう。ところでAもカナヲと同じで継子なんだよね。」
「うん。」
「誰の継子なんだ?」
「…………神。」
私がそう言えば一瞬炭治郎は固まるもすぐに何かを考え始める。
「具体的には何を司る神の継子なんだ?」
「さぁ?まぁ炭治郎もいつか会うだろうしその時に聞いてみれば?」
師匠はよく自分のことを神とか私のことを塵とかカスとか言う。正直絡み方がだるい。
「本当に面倒臭い人だから。」
「そうか、でもAはその人のことが大好きなんだな。」
「え?」
「だってその人の話をする時Aからはすごく嬉しそうな幸せな匂いがする。」
無意識だ。別に嫌いじゃないけどなんか指摘されると恥ずかしい。
「…………全集中の呼吸が止まってるよ。」
「あっ」
「今日も一緒に機能回復訓練するから頑張ってね。」
炭治郎との会話を終わらせてカナヲ達の所へ向かう。
なんだか心がむず痒い感じがした。
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佑奈(プロフ) - 面白くて一気に読んじゃいました!これからも応援してます! (2020年8月28日 13時) (レス) id: 4ea904291e (このIDを非表示/違反報告)
餡蜜 - 不死川さんと宇随さん、面白いです。フフフッ (2020年8月8日 19時) (レス) id: 2f84cbf165 (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごい文才だと思います!私、応援しています! (2020年4月22日 16時) (レス) id: 43416ff750 (このIDを非表示/違反報告)
寧夏(プロフ) - て、、低評価が着いたのですか…作者様の作品はすんばらしいので自信もってください!…私に言われても変わんないか笑評価して続編移ります!相変わらず最高です! (2020年4月5日 7時) (レス) id: addc97a0c8 (このIDを非表示/違反報告)
サクラミ - 面白すぎて辛いwww もうほんっとに大好きです! (2020年3月28日 9時) (レス) id: 2718317c45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2019年12月11日 13時