ド派手な継子 壱

肆拾捌話 質疑応答 ページ49

「誇り高く？ご武運？どういう意味だ？」


先程のおばあさんの言葉の意味が分からないと伊之助は言う。

それを聞いて我妻君は呆れたような表情をして彼を見る。




「そうだな、改めて聞かれると難しいな…誇り高く………」

「炭治郎は真面目だね。」


考える彼を見てすこぐ真面目だなぁと感じた。


「自分の立場きちんと理解してその立場であることが恥ずかしくないように正しく振る舞うこと……かな。それからお婆さんは俺たちの無事を祈ってくれてるんだよ。」

「その立場って何だ？恥ずかしくないってどういう事だ？」

「伊之助って五歳児？」



質問の答えから更に疑問が出来る。きっと彼と話していればきりがないだろう。




「それは……」

「正しく振る舞いって具体的にどうするんだ。」

「鬼殺隊の隊員らしく誇り高く誠実に振る舞えばいいんじゃない？」

「……誠実？誇り高くってどうすりゃいいんだよ。そもそもなんでババアが俺たちの無事を祈るんだよ。何も関係ないババアなのに何でだよ。ババアは立場を理解してねぇだろ。

「…………」




怒涛の勢いの質問に私も炭治郎も口を噤んだ。

これ一生終わらないわ。





「あっ、加速した！」


まるで逃げるように炭治郎は走る速度を上げた。



「ちょっ、待って……ってAちゃんはやっ！！」



私は先頭の炭治郎を抜かして走る。

後ろをチラ見すれば彼らは必死に着いてこようとしていた。

常中を習得してない彼らには少し速すぎたか……


少し速度を落として彼らと共に次の任務場所である“那田蜘蛛山”と急いで向かう。

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