ド派手な継子 壱

肆拾漆話 切り火 ページ48

「次ノ任務ハ"那田蜘蛛山"!! 」

「緊急の司令……早く向かわないとな。」



炭治郎の鎹鴉が緊急の指令を伝えてきた。

一刻も早く向かわないといけない。




「Aちゃん隊服姿も超絶可愛い!!天使!!結婚して！？」

「無理。そういう我妻君はなんだか黄色いね。」



私の隊服を見て興奮する我妻君は正直不気味で気持ち悪い。



「では行きます！お世話になりました。」

藤の屋敷の家主であるおばあさんに炭治郎は勢いよく綺麗なお辞儀をする。

私もお礼を言って彼ほどではないがお辞儀をする。




「では………切り火を。」

「ありがとうございます！」


おばあさんが切り火をした瞬間伊之助くんが発狂しだす。



「何すんだババア!!」


殴りかかりそうな彼を我妻君と炭治郎で止めて私はおばあさんを庇う。


「馬鹿じゃないの！？“切り火”だよ。お清めしてくれてんの!!危険な仕事行くから!!」


我妻君が叫ぶように彼に説明する。

そうか、伊之助くんは山育ち故にこういう風習などは知識が乏しいのだろう。




「どのような時でも誇り高く生きて下さいませ。ご武運を……」





丁寧にお辞儀をするおばあさんは姿が見えなくなるまで見送ってくれた。


そしてその姿を伊之助くんは振り向きながらずっと見ていた。

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