ド派手な継子 壱

参拾壱話 お別れ ページ32

そして一年私は呼吸を仕上げた。

毎日毎日稽古をして完璧に出来るように、多少技を連発しても直ぐにへばらないように。


別に柱になりたいとかそんな志は持ってなかった。
ただ、鬼を斬れればいい。




玄関で靴を履きながら決意を固める。これからは剣士として生きる。女は捨てないと……



「Aちゃぁぁあん！行っちゃやだァあ！」

「こら須磨！Aの邪魔すんな！我儘言って……Aが選別で死ぬとでも思ってんの！？」

「まぁまぁ。」



このお嫁さんたちとも少しの間だか会えなくなるのは寂しい。



「A！」

「師匠！」





奥から師匠が包みを持ってやってくる。



「ほら、道中で食いな。」

「……おにぎり……ありがとうございます。」



腹が減っては戦はできん。


有難く貰って刀を持ち立ち上がる。







「それじゃあ行ってきます。」

「A……死ぬんじゃねぇぞ。」

「‼……はい！」





四人に見送られ私は鬼殺隊の最終選別が行われる”藤襲山”へと向かった。

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