拾漆話 雛鶴さん ページ18
太陽は沈み空には綺麗な月が上り庭を朧気に照らしている。
あれから自分に合った呼吸というものを探してみたが何も思い浮かばなかった。
「〜♪」
何気なく母から教えてもらった歌を口ずさむ。
父親が幼い頃出ていってしまい泣いてばかりの私を母はいつも慰め寝る前に歌を歌ってくれた。
「素敵な歌ね。」
「雛鶴さん!」
声を掛けられ後ろを振り向けばそこには月明かりに照らされて優しく微笑む雛鶴さんが立っていた。
「いつからそこに?」
「Aちゃんが歌い出したところからかな。」
「恥ずかしい。」
いると分かっていたらもう少しビブラートかけたというのに。
「歌好きなの?」
「まぁ…母の影響で多少は……」
「そう。」
隣に座りながら雛鶴さんは笑顔で相槌を打つ。
「自分なりの呼吸は見つけられた?」
「まだです。なんか……なりたい自分像っていうのが沸かなくて……」
「天元様の呼吸は派手だもんね。すごく力強くて頼もしい。」
そう。師匠は私とは真逆。ド派手で頼もしくてかっこよくてとっても強い。
なんで私なんかを継子にしたのか分からない。
少し暗い雰囲気になってしまい謝ろうと顔を上げようとすれば雛鶴さんが明るい声で私に話しかける。
「そうだ!Aちゃん、明日は私と出かけましょ!」
「え?…でも稽古が…」
「大丈夫!天元様には荷物持ちが欲しいからAちゃんを連れていくって言うしたまには息抜きもしたいでしょう?」
………聖母?女神?
なんでこんなにもお優しい方があんなゴリラと……
「もしかして嫌だった?」
「いえ!嬉しいです!」
そう言えば雛鶴さんは花が咲いたかのように嬉しそうに笑う。
もう結婚して。
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ぽてちまる(プロフ) - 夜にコメントしちゃってすみませんでした!!ありがとうございます^ ^これからも楽しく読ませて頂きます!応援してます!! (2020年5月2日 3時) (レス) id: 011d244725 (このIDを非表示/違反報告)
AOI3(プロフ) - ぽてちまるさん» 指摘ありがとうございます!恐らくこれで見れるようなったと思います!すみませんm(_ _)m (2020年5月2日 2時) (レス) id: e5bf353bab (このIDを非表示/違反報告)
AOI3(プロフ) - シウさん» 編集遅れました!おそらく見れるようになったと思います…(><) (2020年5月2日 2時) (レス) id: e5bf353bab (このIDを非表示/違反報告)
ぽてちまる(プロフ) - 私も見れてないです…(汗)気になる!!^ ^ (2020年5月2日 2時) (レス) id: 011d244725 (このIDを非表示/違反報告)
シウ(プロフ) - イメージ画像が見られません( ; ; ) (2020年4月20日 1時) (レス) id: 4722f65ee6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:AOI 3 | 作成日時:2019年11月23日 19時