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健二郎「進路希望持ってきた？」



「… まだ確定じゃないんだけど、

いちようこれで」



まだ決めたわけじゃないけど、

約束した手前進路希望を出しに来た



健二郎「おっ！

第三希望まで埋まってるやんか！」



行くって決めたわけじゃないし、

自信もないけど…



昨日がんちゃんとオープンキャンパスに

行く約束をした大学の名前を書いて、

とりあえず提出…



けんちゃん、すっごいニコニコしてる…

安心してくれてるみたいだから良しとしよう



健二郎「で、なんでここにしたん？」



「えっと………

友達がオープンキャンパスに誘ってくれて」



けんちゃんは漫才みたいに、

こけるふりをした



健二郎「まぁいいことや！一歩前進やな！」



そう言って私の頭をポンポンと撫でた



健二郎「これ、三つとも行くんか？」



「うん、今週と、来週と、再来週あるから」



健二郎「… その友達と行くの？」



「…うん、塾の友達なんだ」



健二郎「…男？女？」



「…男だけど」



健二郎「… ええなぁ、

オープンキャンパスデートかぁ…ええなぁ」



目をつぶって、しみじみ

" ええなぁ " ばかり言うけんちゃん



「… そんなんじゃないです、真剣に行くの」



健二郎「ええなぁ… うん、わかった

楽しんどいで！ちゃんと大学見学すんのも

忘れんようにな！」



「… はいはい、失礼しました」



私は職員室を出ると、

そのまま食堂へと向かった



臣「…おっそ」



隆二「進路相談？」



臣と隆二は、もう食べ終わってるようだった



「うん、出して来た」



隆二「ヤバイ！おめでとう！」



隆二は自分のことのように嬉しそうに笑って、

私の頭をわしゃわしゃ撫で回した



「ありがと… けどやめて、ぐしゃぐしゃ」



臣「なんて書いたの？」



「んー、大学」



臣「やっぱ大学行くんだなぁ」



「うん、それしかないしね」



隆二「Aは偉いから！

絶対どこでも受かるって！大丈夫！」



「ありがと、隆二」



臣「進路決まったってことで、

高校生活最後の夏の予定立てますか！

ちなみに来週の日曜は夏祭りだから…」



「あ、ごめん」



臣「…なに」



「来週私オープンキャンパスなんだ、

それに夏休みは塾忙しくなるから…

去年までみたいには遊べない、ごめんね」



臣「… だよな、俺も部活あるし」



隆二「… 俺もレッスンあるからさ！」



「うん、時々は遊ぼうね！」



臣・隆二「……おう！」



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