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「わかんない、私何も分からない

隆二は… 何が言いたいの？」




久しぶりに私の方を向いた隆二は

うっすら口角を上げて、悲しそうに微笑んだ




隆二「本当、鈍感すぎるんだよお前は」




「何よ、鈍感鈍感って、分かったよ

私は鈍感だよ、だからちゃんと説明してよ」




隆二「……… 俺は岩田が嫌い

何でかって？ 俺さ 嫉妬してんだよ…」




「嫉妬？ … 岩ちゃんのことは好きだけど

隆二と臣と居る時間の方が長いし、

２人のことも大好きなのに何……で…」




自分が鈍感なのは分かってる

バカで鈍いって分かってる

けどここまで言われたら… 私にだって分かる




隆二の言いたいこと、分かる




恋を始めた私だからこそ、分かる




隆二「… 気付いた？ おせぇよ

ここまで言わなくちゃ分かんねぇんだよな」




悲しく、優しく微笑む隆二は

ゆっくり、優しく私の頭を撫でた




隆二「俺は、岩ちゃんに嫉妬してる…

俺は…… Aのことが…」




やめて、それ以上は 言わないで お願い




隆二「… 聞きたくないって顔すんなよ

ちゃんと聞けよ、俺腹くくったんだから」




「……… 分かった」




隆二「好きだよ、Aのこと

悪いけど 俺にとってお前は友達だったし

好きなやつだった

俺はただの好きじゃなくて…

お前に恋してたから」




" ピーーーーーーーーーっ！ "




隆二が言い終わると同時に、

試合終了の笛が鳴り響いた




そしてけんちゃんも戻ってきた




健二郎「うわ！戻ってきた瞬間終わる！？

こんなことある！？最悪や！！」




隆二「じゃ、俺 先に失礼します」




健二郎「臣に挨拶して帰らんのか？」




隆二「用事あるんで、先帰ります

A 臣にお疲れ様って伝えといてな」




そう言って、隆二は去って行った




健二郎「なんや、男前な去り方すんな…

ってお前、なに泣いてんねん」




「…… 分かんない 分かんないけど

涙が…… 止まらないん…… です」




健二郎「…… 臣のプレーに感動したんやな

俺なんでトイレ行ってもうたんや！くそぉ！」




なんでもっと早く、

隆二の気持ちに気づかなかったんだろう




私のせいで、隆二はきっと

沢山傷ついたことあったんだろうな




最低だ、私




「先生、私ちょっと、トイレ…」




健二郎「おう、行ってこい！」




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