◇笑顔と違和感◆ 智 4/25↓ ページ29
智「ただーいまー」
和「おかえり、なさい」
･
いつも通り、玄関に入れば和が出迎えてくれた。
...けど、その笑顔に少しの違和感を感じた。
何だろ。いつも通りの笑顔なんだけど...
その笑顔の中に、少しのぎこちなさを感じた、気がした。
･
智「...和?」
和「どうしました?」
･
おいらの荷物を受け取りながら、笑顔で返事をした。
...やっぱり、違う。
和、おいらが気付かないと思った?
･
智「和、何かあった?」
和「...何もありませんよ?」
智「...和」
･
にこり、と笑ったその笑顔は...
可愛くて、綺麗でいつもより儚い気がした。
和が、核心をついて欲しくない時の癖。
やっぱり何かあったんだ。
多分、このまま問い詰めても無言を貫きそうだし、最悪泣かれそう。
こういう時は...抱き締めるのが1番、だよね
･
智「和、こっちおいで」
和「...」
智「ほーら」
和「わ、ちょっ」
･
ﾘﾋﾞﾝｸﾞに行き、ｿﾌｧに座って、膝の上に乗るよう促すけど
中々近づこうとしない和に、少しだけ...
ほんの少しだけ、いらついちゃった。
細くて白い和の手首を優しく掴んで引けば、簡単に傾く体。
小さな身体を膝の上に乗せて、ぎゅっ、と優しく抱き締めて...
そのまま怖がらせない様に、もう1度問いかけた。
･
智「和、何か悩んでんの...?」
和「...違います」
智「...俺じゃ頼りない?」
和「ちがっ」
ばっ、と顔をあげた和。
大きな瞳に涙をいっぱい溜めて、今にも泣きそうな顔。
そんな顔するまで我慢するなんて...馬鹿だなぁ...
智「やっと、顔見せてくれた」
和「っ...」
智「和、ちょっと話そっか...和の今の気持ちも俺の話も...隠さずに話そう?」
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作者名：和希 | 作成日時：2018年11月25日 6時
