◆女々しさと珈琲◇ 和 4/21↓ ページ28
あの、もやもやした感情を
必死に抑え、忘れようとして2日。
...大野さんが帰って来る日。
･
和「...大丈夫。きっと、大丈夫」
･
自分に言い聞かせるように呟く。
大丈夫。器用に出来るはず。
大野さんとの今の関係を崩したくない。
なら、必死に抑えろ。そして忘れろ。
･
和「...珈琲飲も」
･
自分の女々しい思考に嫌気がさす。
何で、こんなにも忘れられないのか。
どうして、先の事を...気にしてしまうのか。
早く...忘れたいのに...
ﾏｸﾞｶｯﾌﾟにお湯を注ぐと、珈琲独特の香りがする。
その香りを嗅ぐと、少しだけ気分が落ち着く...
･
和「はぁ...」
･
一口、口に含み軽く息を吐くと
珈琲の苦味と風味が広がり、ゆっくりとそれを味わう。
こうしてる時、変に考えたりする事もないから
いつも、珈琲を飲んでしまう。
あまり考えてもだめだ。
きっと、同じ事をくり返し考えるだけ。
...って、頭ではわかってるのに。
･
和「ここまで...引きずるなんて...」
･
ｺﾄｯ...と、ﾏｸﾞｶｯﾌﾟを静かに置いた。
ふわり、と白い湯気と共に珈琲の香りが漂う。
はぁ...、と自然に出たため息。
時計を見上げると、大野さんが帰ってくるまで
あと30分を切っていた。
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作者名：和希 | 作成日時：2018年11月25日 6時
