◇優しい時間◆ 和 ページ19
和「...そろそろだ」
･
大野さんから連絡がきて約20分。
駅からうちは近いからもうすぐ着くと思う。
やる事、全て終わってるから、あの人の帰りを待つだけ。
...たかが3日間、離れただけ。
それなのに、こんなにも恋焦がれてしまうなんて。
･
和「どれだけ、好きなんですかね」
･
どれだけ、重いのか
思い知らされた3日間。
それでも心から求めてしまうあの人の愛と欲。
はぁ...と、心の中でため息をつくと
ｶﾞﾁｬﾝ、と鍵を開ける音がした。
その音に敏感に反応する身体。
反射的に玄関に向かう脚。
あぁ...やっと、だ。
･
智「和...ただいま」
和「...おかえりなさい、大野さん」
智「...おいで」
･
優しくおいで、と腕を広げて待つ大野さんに
吸い込まれるように抱き着く。
ﾄｸﾝ...ﾄｸﾝ...と静かに聞こえる心音。
ぎゅっ、と力強く抱き締められて
大野さんの程よい甘い匂いが強くなる。
･
智「和、逢いたかった...」
和「私も...逢いたかったです...」
智「ね、顔、あげて...」
･
頬を優しく撫でて耳元で低い声が響く。
あぁ...ｷｽ、される。
直感でそう思った。
ずっと待ってたあの唇。
ゆっくり、顔をあげると
ｺﾂｯ、と優しく額を合わせて
ふっ、と柔らかく笑った。
･
智「和、好きだよ。愛してる」
和「ふふ...私も、愛してる」
･
私の言葉に少し目を見開きながらも、
嬉しそうに微笑んで、柔くｷｽを落とされた。
そして、また額を合わせて
ｸｽｸｽと笑い合う優しい時間。
本当...好きです、大野さん。
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作者名：和希 | 作成日時：2018年11月25日 6時
