◇あと2時間◆ 和 1/20↓ ページ16
和「ん...」
･
ﾚｰｽのｶｰﾃﾝ越しから射し込んできた、昼間より少し弱い夏の日射しに目が覚める。
ｽﾏﾎの画面に表示された時刻を確認すると、朝の7時。
ｱﾗｰﾑよりも先に目が覚めたけど、此のまま起きようと思い、ｷｯﾁﾝに向かう。
ｺﾎﾟｺﾎﾟ...と心地好い音を立てながら珈琲を淹れると独特の匂いが鼻腔をくすぐる。
淹れたての珈琲をすぐに味わうのが至福のひととき。
其のままｿﾌｧに座り1口。
珈琲特有の苦味と旨味が口に広がり、其をゆっくり堪能する此の時間。
･
和「ふぅ...あと、2時間か...」
･
ﾎﾟﾂﾘ...と呟いてみる。
そう。
あと2時間。
2時間、すれば大野さんが帰ってくる。
短いようで長かった3日間が終わる。
そして、大野さんと私の長い1日が...始まる。
･
和「...帰ってくる前に終わらせなきゃ」
･
そうだ。
大野さんが帰ってきたら、何も出来ない。
そんな時間すら、与えて貰えないはず。
今の内に洗濯物干して掃除しなきゃ。
それで...お風呂、入ろ。
今日と明日、大野さんはｵﾌだから...
時間を気にせずに一緒に過ごせる。
...らしくもない事を考えて、
あの人を待つなんて。
重いな...
と、心の中で苦笑いして
飲み終わったｺｯﾌﾞを持って腰を上げた
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作者名：和希 | 作成日時：2018年11月25日 6時
