傭兵として…隊士として３/H ページ34
「鈴…」
添えられた手に自分のを重ねて大切な名前を呼ぶ。
二代目も相葉もいるのに
その仮面を外し優しく言葉をかけた。
「ごめんな……ずっとお前に背負わせまいと、隠し続けてきた。
でもこんなに不安にさせてたなんて…気づかなくてごめん」
ふるふると首を振る鈴音の頭を抱き寄せ問いかける。
「お前はここが好きか？」
「ん……うん。好き」
「分かった」
こっちに顔を向けた智におれは頷く。
おれもここが好きだ。
道具としてではなく、人として…仲間として扱ってくれたここが。
「幹部を集めてくれねえか？」
「はい。すぐに」
智の考えを汲み取った二代目は、目の前の光景に唖然とする相葉を連れて部屋を出た。
でも襖を開けてすぐ動きが止まり小さく笑った。
「智さんは愛されてますね」
「え…」
体をずらした二代目の先にいたのは、小屋から抜け出してきたヤトだった。
黒い馬体を揺らし智の姿を探してる。
「ヤト…抜け出してきたのか？」
主人を見つけ喜ぶヤトに近づこうとするも体がいうことをきかないらしい。
でもおれも支えられるほどの体力が無い。
「立てますか？」
「…悪い」
二代目が迷うことなく手を差し伸べ
支えながら縁側に出た。
ギリギリまで歩み寄ったヤトの鼻先を撫でる智を
優しい表情で見守る二代目の横顔が脳裏に焼き付き離れなかった。
「申し訳ありません!上様ｯ」
小屋の者が焦った表情で駆けてきてヤトの手綱を持った。
二代目は平気だと伝え智を部屋に運び込もうとした。
しかし何を勘違いしたのかヤトが暴れ始めてしまった。
「こらっ一体どうしたんだ!?」
「僕が智さんを連れて行ってしまうと思ったんでしょうか」
「ヤト……ヤト」
智の声に暴れるのをやめたヤトが黒い瞳で主人をじっと見つめた。
「大丈夫だ。こいつは…敵じゃない」
その言葉に二代目が嬉しそうに目を細めた。
ヤトは主人に危険はないと判断し大人しく小屋に戻っていった。
「頭のいい馬ですね」
「あぁ、ずっと一緒にここまできたからな」
ヤトはどんなところでも智を連れて行き、ほかの馬が怖気づくほどの戦場にも智が望めば走っていった。
一心同体
そんな言葉が似合う。
「ここに集めていいですか？」
「頼む」
智を座らせて二代目は相葉と共に部屋を出て行った。
・
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紗月(プロフ) - 成魔さん♪さん» 嬉しいです！(/ω＼)期待にお応えできるよう頑張ります！現実のほうも一緒に頑張りましょ!(笑) (2015年2月19日 15時) (
レス) id: 3daef8858a (このIDを非表示/違反報告)
成魔さん♪ - 紗月さん» もちろんです!やっぱり久しぶりに読んでも、面白くて…。続きが気になってしかたないです!お互い、頑張りましょう! (2015年2月5日 21時) (レス) id: 9f8c4a316c (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - 成魔さん♪さん» お久しぶりです!(^^)!私もスランプになってしまい全然更新できてなかったんです。すみません。やっと抜け出せそうなので地道に更新していこうと思います！成魔さんも頑張ってください！！ (2015年2月5日 21時) (レス) id: 7052429c8b (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - へさささん» 有難うございます！更新が遅れてしまい申し訳ありません。 (2015年2月5日 21時) (レス) id: 7052429c8b (このIDを非表示/違反報告)
成魔さん♪ - 紗月さん» お久しぶりです。まったくこれなくてすみません…。自分の小説の更新で忙しすぎて…という言い訳です…すみません…。またちょくちょくここに来ますので、更新、頑張ってください! (2015年2月4日 22時) (レス) id: 9f8c4a316c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紗月 | 作成日時：2014年6月28日 22時
