真の理由５/O ページ31
もうこれで
入隊しろなんて馬鹿なこと言わないだろう。
俺は自分のことしか考えてない。
この事実を隠すことだってできたのに、俺はお前に残酷な現実を突きつけた。
それもこれも
全部自分を守るためだ。
仲間を得るのが怖いから
失うのが怖いから
俺の仮面に手を伸ばすお前が
怖いから……
「……話してくれてありがとうございました。
父上と爺やの死を一人で背負わせてしまってすみませんでした」
あぁ……
まただ
『ごめんｯ!!ごめんな、智…!
お前一人だけに先生の死を背負わせて
気づいてやれなくて……ごめんなｯ』
またこいつは
俺の仮面に手を伸ばし
外そうとする……
「…僕の気持ちは変わりません。
貴方たち野良を、白虎に迎え入れたいです」
放っておいてくれ
構わないでくれ
俺に干渉しないでくれ
もう失いたくない
もうあんな喪失感を味わいたくない
もう
もう……
「智、貴方の心を聞かせてください。
思ってるだけでは分からないんです…
僕に話してみませんか？楽になると思います」
『思ってるだけでは伝わらない。言葉にしなくては伝わらない。
なんて面倒な生き物なんでしょうね、人間は。
智、絶対に笑ったりしませんから
どうして泣いているのか教えてくれませんか？』
先生
先生…
歩き疲れたら休んでいいんだよね？
怖かったらそれを言っていいんだよね？
一人が
嫌だったら……
「智…おれも鈴音もいる。大丈夫さ。
こいつらは自分の身は自分で守れるだろ？その実力をその目で見ただろ？
大丈夫。お前を置いていったりしない」
温もりを求めて縋っていいんだよね？
「俺……疲れたんだ」
「うん」
「ここで休んでもいいか？」
「もちろんです」
先生のような柔らかな笑み
先生と違う丸っこい手
どうしても貴方と重ねてしまうのは
貴方が言ってた魔法を使ってるから？
『いいですか、智。
笑顔はね？誰もが持っている魔法なんです。
絶対にこの魔法を忘れてはいけませんよ。
どんなに辛いことがあっても
どんなに悲しいことがあっても
笑っていれば必ずお前を救ってくれるはずです。
もし、もしも忘れてしまったときは
この魔法を使ってる人の傍にいなさい。きっとその人が智に魔法をかけてくれますよ』
俺
忘れちゃったからさ
この人の傍にいるよ……
絶対にもう忘れないから
こんな汚れた俺に
魔法をかけてほしいんだ
和也……
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
紗月(プロフ) - 成魔さん♪さん» 嬉しいです！(/ω＼)期待にお応えできるよう頑張ります！現実のほうも一緒に頑張りましょ!(笑) (2015年2月19日 15時) (
レス) id: 3daef8858a (このIDを非表示/違反報告)
成魔さん♪ - 紗月さん» もちろんです!やっぱり久しぶりに読んでも、面白くて…。続きが気になってしかたないです!お互い、頑張りましょう! (2015年2月5日 21時) (レス) id: 9f8c4a316c (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - 成魔さん♪さん» お久しぶりです!(^^)!私もスランプになってしまい全然更新できてなかったんです。すみません。やっと抜け出せそうなので地道に更新していこうと思います！成魔さんも頑張ってください！！ (2015年2月5日 21時) (レス) id: 7052429c8b (このIDを非表示/違反報告)
紗月(プロフ) - へさささん» 有難うございます！更新が遅れてしまい申し訳ありません。 (2015年2月5日 21時) (レス) id: 7052429c8b (このIDを非表示/違反報告)
成魔さん♪ - 紗月さん» お久しぶりです。まったくこれなくてすみません…。自分の小説の更新で忙しすぎて…という言い訳です…すみません…。またちょくちょくここに来ますので、更新、頑張ってください! (2015年2月4日 22時) (レス) id: 9f8c4a316c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：紗月 | 作成日時：2014年6月28日 22時
