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連れてこられたのは…知らないマンション。


あのホテルじゃないんだ…





…もしかして…もしかするとだよ、ここって和の…?





「ねぇ…ここって…?」


和「またそうやって。気づいてんでしょ?」


ちょっとイライラしながら和が言う。




和「俺の家、だけど?」




手馴れたようにエレベーターへと進みボタンを押す和。







…ねぇ、和。



私がここに連れてこられて、どれくらい嬉しいか、和は分かる?


今だって涙が出そうなの、必死にこらえてるんだよ?


和は気まぐれで私をここに連れてきたのかもしれないけど、


それでもいいの。嬉しいの。





玄関について和が鍵を開ける。



和「どうぞ」


動けない私に和がイライラしながら
和「早く入れってば」


「ご、ごめん。…お邪魔します…」


足を踏み入れ、和の匂いを感じて涙が滲みそうになったとき、



「んっ…」



深い、深い、くちづけ。






唇が離れて、
眉間に皺を寄せたまま和がズンズン歩いていく。


その背中が、地下鉄で見た時の背中に重なって、また涙が出そうになった。






*
和の背中を追いかけてリビングに入ると、
キッチンの方から「適当に座って」と声がした。




…ここが和の部屋。


シンプルで余計なものが少ない中、
ゲームの山を見つけて、和が生活してるってことを感じてまた胸がいっぱいになる。

ゲーム好きなんだなぁって和を知れて嬉しくなる一方で、ゲームの山を見る限りかなりのゲーマーみたいなのに、私はそんなことも今知ったんだなあって悲しくなる。


だめだめ、部屋に連れてきてもらっただけで奇跡なんだから。和のことがもっと知りたいなんて、そんな欲張りなこと…彼女でもない私が知りたいなんて…思っちゃだめ、だよね…


あぁもう、何を考えてもネガティブな思考にたどり着いてしまう。

あんなに和の部屋に連れていってもらえなくて悲しかったのに、連れてきてもらえた時は嬉しかったのに、今はそれより悲しいが勝ってしまう。


和を感じて嬉しくなって、和を感じて悲しくなる。結局座って俯くことしかできない私。

・→←振り出しには戻りたくないの



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設定タグ: , 二宮和也   
作品ジャンル:恋愛
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ちか(プロフ) - 面白かったです!!一気に読んでニヤケ顔が止まらない! (2016年3月23日 11時) (レス) id: b9925a1d6c (このIDを非表示/違反報告)
ナリ - これにてコメント欄を閉じさせて頂きます。たくさんの評価とコメント、ありがとうございました\(^^)/ (2015年11月13日 18時) (レス) id: ade89ee868 (このIDを非表示/違反報告)
ナリ - 二宮 悠稀さん» コメントありがとうございます!聴きながら読んでいただけたんですね(*^^*)そのように言っていただけてとても嬉しいです♪お付き合いいただきありがとうございました(*´`) (2015年11月13日 18時) (レス) id: ade89ee868 (このIDを非表示/違反報告)
hinano(プロフ) - ナリさん» 事情があるとは知らずにすみませんでした…いつまででも待っているのでいつか戻ってきてくれると嬉しいです!o(*º▽º*)o (2015年11月11日 22時) (レス) id: 92058e57f7 (このIDを非表示/違反報告)
二宮 悠稀 - イン・ザ・ルーム聴きながら読ませて頂きました。にやけながら読む自分がいて…笑 完結したけれど続きが気になりました! (2015年11月11日 18時) (携帯から) (レス) id: c1927904b2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ナリ | 作成日時:2015年11月5日 21時

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