*ARS*お医者さんのにぃは病院嫌い14 (ページ45)

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事故の怖さ (智×翔) 6 ページ45

智side

今、僕はどこにいるんだろ…。
ここは、どこだろ……。

真っ暗闇に1人佇んでる僕は、方向感覚さえ狂ってて
どっちに行ったらいいかよく分からない…。

でもね、声が聞こえる。
だれ…?

その方向へと進めば次第に声は大きくなって、「あぁ、これは和と潤だ」ってすぐわかった。

「泣かないで?」って言ってあげたいのに声は届くはずもなく…
ただ、空をきる。

僕って、死んじゃったの…?

あの日、僕は家に忘れ物を取りにお昼休憩病院を抜け出した。

横断歩道を渡ってると一台の乗用車がスピードを上げて突っ込んできて、
咄嗟によけたけど間に合わず次々へと轢いてく車は電柱に衝突し停止した。

お腹に衝撃は走ったけど、意識は保ってたから、
医者だということを伝え、救急車を呼んでもらい処置にあたって…

それから、潤に会ったことは覚えてるんだけど…
その後の記憶が全くない。

僕、このまま死にたくない…。

弟たちもいるし、まだまだたくさんやりたいことあるんだから…。

そう思ってれば視界が晴れていって、和の顔が正面に…。
大粒の涙を流しながら「智にぃ…」って弱々しく泣くの。

んふ、そんなに泣かないでよ…。
僕は、そう簡単にしなないよ?
弟たち置いて死ねないわ…(笑)

『ん、意識レベルは正常です。
記憶も飛んだりしてないみたいなのでこのまま回復するまでは入院してもらいます』

あとは、翔だけだよ?
隣に眠っている翔に「頑張れ」って強く願った。