きっと大丈夫 (智) 6 ページ6
智side
翔「智にぃ!?さとに!!聞こえたら手、握ってー」
どこからかそんな声が聞こえ
久しぶりに聞いた翔の声に安心する。
翔の手を握りながら色々と考える。
僕……どうしたんだっけ…?
一人で帰ってたら後ろから……。
そうそう。刺された。
病院にいるってことは誰かが救急車呼んでくれたのかな?
智「…っ、っ……っっ…」
翔「ん、苦しいね。ちょっと待ってね。すぐ外すから」
そう言われて脱管された。
智「…び……っ、い、……?」
翔「うん、そうだよ。病院」
智「ん、い、……っ、っ…り……い…」
翔「ん?」
智「い、っ、……え、」
全く声が出なくて上手く伝わらない事に若干焦る。
翔「だいじょーぶ。ゆっくりだよ?家に帰りたいの?」
智「ん、えり、っ、……い」
翔「ははっ。まだ退院は許可出来ないな〜」
だって、二週間も意識なかったんだから。
……え、え?二週間?!
そんなに意識なかったのか…。
でもさ、ここ嫌いなの。
集中治療室っていっぱい器具置いてあるから恐い…。
お家でいい子にするもん。
だから帰ってもいいでしょ?
翔「泣かない、泣かないの〜。ここは、明日出られるからね?」
智「…っ、やぁ、……らぃ」
翔「嫌いじゃないの〜。だいじょーぶ。
明日また来るからね?」
智「…と……り、や……やぁ〜」
一人は嫌だよ……。
起きてすぐ我が儘なんて、翔も呆れちゃうよね?
ICUは泊まり禁止ってことは知ってるけど…。
一人はイヤなの……。
翔「ん、また息上がってきちゃったね…。
酸素マスクだけして寝ようか」
それまでずっとここにいるからねって翔の言葉に首を振る。
寝たら帰っちゃうもん。
絶対寝るもんかって思ってたけど何故か瞼が落ちてきて、そのまま眠りについた。
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作者名：櫻@宮
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/hp/
作成日時：2014年8月4日 22時
