不幸の連鎖 (雅紀) 11 ページ27
智side
夜にはICUを出られ一般病棟にあげられた雅紀。
そんな雅紀の病室には、兄弟全員集合。
和「どうしたの?」
智「まーさきー?」
雅「…んな、いないと……や……おうち…えりたいの」
みんないないとやだ。
お家帰りたいの。
って泣きながら訴えてる雅紀。
翔「んーん、みんなは泊まれないよ?一人だけ、ね?」
雅「…んで、なんで?やだっ…」
翔「今日は、俺と一緒。朝、また来てくれるから…」
智「Aが家でひとりぼっちになっちゃうよ?」
ちょっと卑怯だけど、これくらいしないと落ち着いてくれないから…。
雅「…ん、んくっ、ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……おれ、うち、かえれない?」
翔「まだね、帰れないよ。早くお熱下げて、病状がよくなってからね」
しぶしぶ納得してくれたみたいだけど、嫌な予感するのは僕だけじゃないはず。
今日は、当直の人がいないから翔以外は全員帰ることになる。
寝かせてから帰るとなると、家に着くのが遅くなっちゃうからもうすぐ病院を出ないといけない。
雅「……なんで、行っちゃうの?」
翔「まーさき?さっきも説明したでしょ?」
潤「大丈夫だよ。また、明日くるからね」
ここは翔に任せて全員病室から撤退。
翔side
智にぃが病室から出て行き二人きりになった。
ちょっと拗ねちゃった雅紀だけど時間が経てば俺に甘えてくるようになった。
雅「翔にぃ?んふっ」
翔「なんだよー(笑)」
まだ熱あるっていうのに元気。
寝る前にはまた大嫌いな聴診と検温があるわけで……。
機嫌いいのにまた泣かせちゃうな…。
って、予想通り…。空気を感じとったのか布団に潜ってしまった(笑)
翔「こーら、翔にぃ帰るよ?」
雅「……ん、んっ……ぁ……ん、んんっ…」
翔「よしよし、痛いことはしないよ?」
ポロポロと泣いてる雅紀だけど頑張って布団から出てきてくれたからまずは検温から。
38.4…。
雅「しょ、ぎゅっ……て…。しょに…」
翔「ん、ぎゅってしようなー。聴診が終わってからね」
雅「…やく、ぎゅって……ｹﾎｹﾞﾎｯ」
まだ喘鳴はあるものの吸入だけしとけば大丈夫かな。
翔「ん、約束だったもんな…。ぎゅーっ」
肩付近に頭を乗せてくるからポンポンとしてあげればすぐ夢の中。
これから、退院まで存分に甘えさせてあげるから頑張ろうな?
まぁ、あまりに過ぎたわがままを言えば怒られるだろうけどね…(笑)
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作者名：櫻@宮
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/hp/
作成日時：2014年8月4日 22時
