不幸の連鎖 (雅紀) 10 ページ26
雅side
目を開けた時はもう病室の中だった。
病室というよりは、機械がたくさんあるところ…。
あーあ、やっちゃったなって……。
周りには誰もいない。
挿管はされてなくて、酸素マスクだけつけられた状態。
なんで……なんで誰もいないの?
こんな怖いところに俺一人残すの?
だんだん息があがってきちゃって、心電図の警告音が鳴り響く。
雅「ﾋｯｸ……ﾝｯ……ﾊｧﾊｧ……」
『大丈夫ですか。ゆっくり息しましょう』
ナースがやってきて背中に手を回してきたから、パシッって手を振り払った。
雅「やめっ……ﾊｧﾊｧ……やだっ……ないっ、で」
『誰でもいいから、すぐ翔先生連れてきて!!』
雅「ﾊｧﾊｧ……わぃ……やぁ、だ……ｹﾎｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……ﾊｧﾊｧ」
翔「まさき?」
俺の耳に響いた声は、優しい声で…。
あの、いつも翔にぃの声。
怒鳴られるかもしれない…。
呆れられるかもしれない…。
どうしようもない不安にかられて、「ごめんなさい」って言うしかなかった。
翔「うんうん、大丈夫だよ。しっかり、深呼吸して?」
雅「ﾊｧﾊｧ……ごめ、……ﾊｧﾊｧ、かんない……」
翔「ん、じゃあ一緒に呼吸してみよっか」
ちょっとパニクって呼吸の仕方まで忘れちゃったけど、一緒にしてくれるって。
だから、翔にぃの指示に従った。
幾分、呼吸もよくなってきてこのまま説教かなって思ったら「ごめんね」って謝られた。
謝らないといけないのはこっちなのに……。
翔「入院イヤになっちゃったんだもんな?」
雅「ん、んっ……んん……」
翔「でもさ、もうあんな事するのはやめて?
あのままだったら、呼吸困難で死んじゃうところだったんだから……」
雅「ん、ん、ごめん、なさい……」
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作者名：櫻@宮
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/hp/
作成日時：2014年8月4日 22時
