*ARS*お医者さんのにぃは病院嫌い11 (ページ24)

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不幸の連鎖 (雅紀) 8 ページ24

雅side

もう、やだ……。
肺炎で入院して数日。

今度は喘息……。
何で俺こんな身体なの?

こんなんなら、入院なんてしてる意味ないじゃん。

雅「ｹﾞﾎｯｹﾞﾎｯ……ん、んっ……」

和「んー、苦しいね。もう少しだよ～」

咳のし過ぎで胸が痛い。
高熱で抵抗も出来ないからされるがまま。

もう、お家帰りたい……。

吸入が終わり息苦しさもなくなって、気付けば朝になっていた。

え?
まさか、今抜けるチャンス?

和は寝てるし、翔にぃまだ来ないし……。

雅「ｹﾎｯｹﾎｯ……はぁ、はぁ……」

とりあえず、どこがいいかな……。

ずっとベッドの上だったから体力が衰えちゃって、少し歩いただけでも息切れがすごい。

点滴は無理やり抜いてきて、酸素マスクも外してきた。

こりゃ、怒られるよね……。

雅「でも……、もう、いい……」

院内を出るのは難しいけど……。
隠れながら行けば外に出れるよね。

雲行きが怪しいけど、まぁ大丈夫でしょ。

おうち……。

雅「んっ、ｹﾞﾎｯｹﾎｯ……ﾊｧﾊｧ…」

距離はそんなに遠くないけど、やっぱり俺の体力じゃ全然着かなくて……。

まだ、半分の距離も歩いてないのに苦しくて……。

死ぬかもって、初めて「死」を間近に感じた気がした。

雅「しょ、に……ﾊｧﾊｧ、ｹﾞﾎｯｹﾎｯｹﾞﾎｯ…」