不幸の連鎖 (雅紀) 5 ページ21
和side
翌日Aを学校に送り届けて出勤。
雅にぃの着替えも持ったし、とりあえず病室へと向かう。
「ふぇぇーん、うわぁーん!!」
和「え、ちょっ、どうしたの」
雅「…ｹﾎｯｹﾎｯ……んっ、ふぇっ…」
病室に着くなり泣いてる雅にぃ。
智にぃは不在。翔にぃも不在。
潤まで来てない。
起きて誰もいなかったらこうなるわな…。
和「ん、大丈夫。落ち着いて〜」
雅「んっ、ん、うえぇーん」
全く泣き止む気配はない。
よく見ると机の上には智にぃが書いたと思われるメモ。
ごめん！急に呼ばれちゃって行かなきゃいけなくなっちゃった。
ちょー急いでたのか字が雑に書かれてる。
和「ごめんね?雅にぃ。僕、来るの遅かったね。一人で寂しかったね」
雅「…ず、かっ、ず……はぁ、ｹﾎｯｹﾎｯ」
和「ん、もう一人じゃないからね」
泣きすぎで息が途切れ途切れ。
嗚咽も漏れてる。
僕も仕事だけど、翔にぃと潤が来てくれれば…。
雅「…ずっ…。…こ、…たいの…ｹﾎｯｹﾎｯ…」
和「んー、ここねー。鎮痛剤もらおっか」
胸が痛いって言い出した雅にぃ。
肺炎による咳のし過ぎで胸痛はよくあること。
我慢出来る人もいれば我慢出来ないほど痛むこともある。
雅「…ら、い。ｹﾞﾎｯ…、すり、んーっ…」
和「あー、わかったわかった。薬いらないのね。ん、なでなでしようね」
僕の手首を掴むと自身の胸に持って行く雅にぃ。
それだけで何を言いたいのかすぐに分かって胸を撫でてあげる。
このまま、寝てくれるかな…。
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作者名：櫻@宮
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/hp/
作成日時：2014年8月4日 22時
