繋がりは消えずとも[ky] (ページ15)

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「お待たせ致しました、季節のパンケーキといちごショコラパンケーキになります」

可愛らしいウェイトレス姿の店員さんがパンケーキを置いて去ったあと、私はスマホを取り出して写真を撮った。
普段はやらないのだが、千歌ちゃんに写真を送って欲しいと頼まれたからだ。

「ほい、半分な」
「ありがとう…あ、フジさんもいる？」
「や、俺はラーメン食べてきたからいいよ。てかキヨも食べてたけどな」
「人の事言えないじゃんキヨ。太るよ」
「お前いつももう少し太れって言ってるじゃねーか」

確かにキヨは痩せ型だしもう少し太った方がいいんじゃないとも言った気はするが。

＊＊

フジさんに傘を渡して、現地解散したその後。

「で、結局なんでフジと連絡先交換したわけ？お前から言ったんだろ？」
「…猫」
「は？」
「捨てられた黒猫が、あまりにもあの猫に似ていて。フジさんが引き取るって言ったからどうしても引っ掛かって。あと見つけた日が、12日だったから」
「…なるほど」

「あの黒猫が、いるわけないのにね。それに、再会したとして……。私、なんでこんな気になるんだろう」
「…そんな顔すんなよ。文句の一つや二つ言いたかったのに言えないじゃねーか」
「いや、かなり言ったよね？」
「うるせえ！こっちは本気で浮気かって思ってたんだからな！」

キヨが顔を赤くして照れ隠しに怒鳴った。
その様子を見ただけで、私は何故かホッとして。

「私、かなり一途だと思うけどな」
「なにその突然のデレ。今から家くる？」
「なんか危ない感じするからやめとく」
「なんでだよ！今のは来る流れだっただろ！？」

＊＊

翌日。

「んー！美味しい！キヨ、これめちゃくちゃ美味しい」

はい、と私はキヨにフォークを傾けた。
キヨは躊躇いなく差し出したチーズケーキを口に含む。

「少しくらい赤くなったら可愛いのに」
「男が赤面してどうすんだよ」

私はキヨの可愛いとこ、好きなんだけど。
もちろん口には出さないが。
そもそもキヨがケーキバイキングに連れてきてくれたのに、キヨの皿にはパスタが乗ってるだけ。
だから私も行動に移したのだが。

「キヨ、甘いもの嫌いだっけ」
「いや、そうじゃないけど。お前の顔見てるだけでおなかいっぱい」
「いや食べてよ。私が食べにくいじゃん」
「気にしてなかっただろ」

「あれ？清川じゃん」