繋がりは消えずとも[ky] (ページ17)

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「うーん、なるほどね。でもキヨさんは知らないって言ってるんでしょ？それにその人の視線も勘違いかもしれないし…。そんなに警戒心持つこともないんじゃない？」

確かに千歌ちゃんの言う通りだとは思う。
私は緑川さんのことも、緑川さんの友達らしきあの人のことも知らない。
だけど、あの視線はー。
明らかに挑発していた、と思う。

「…そ、そうだよね。ごめん、変なこと言って」
「いいのいいの。でもなんかあったらいつでも相談してよ？」
「ありがとう」

たこさんウィンナーを口にいれたあと、千歌ちゃんは「そういえばさ」と続けた。

「この前学校にキヨさん来てなかった？」
「し、知ってたの？」
「そりゃあ女子がキャーキャー騒いでたからね。遠目だったけどほんとにそうだったんだ」
「私もびっくりしたんだけどね…」

わざわざ誕生日プレゼントとクリスマスのこと、聞きに来てくれたの、と続けると千歌ちゃんは「愛されてるねえ」と微笑んだ。

＊＊

12月24日。

キヨおすすめのお店でお昼を食べたあと、駅前のイルミネーションをキヨと見に来ていた。
時刻は六時。
日はすでに沈みきっていた。

「わー！やっぱり綺麗」
「お前来たことないの？」
「うん。一緒に行くような人いないし、お母さんも仕事だったから」
「あー。これからは行きたいとこ全部連れてってやれるし」
「…うん」

もう充分色んなとこに連れて行って貰っているのだけれど。
これからもキヨと色んな場所に行けるのなら、遠慮する必要もないのかな。

「キヨ」
「ん？」
「好き」
「…俺も」

チラ、と横目でキヨの顔を除くと、頬を赤くして向こうを向いていた。

「よし、お母さん待ってるから帰ろ」
「Aの手作り久しぶりだなー」

嬉しそうに繋いだ手を揺らすキヨ。
私も美味しそうに食べてくれるキヨが好き。
…口には出さない代わりに、ポロッと聞こえるか聞こえないかぐらいのかぼそい声で呟いた。

「言ってくれればいつでも作るけど」
「…まじ？」