かくれんぼ２

上手くいかない ページ42

北人:「俺たちはこれからも一緒にいるような存在じゃないってこと？」


『違うよ。そうじゃなくて』


北人:「じゃあなんでそんな平気な顔でいられんの？頑張って生きようって、みんなの分までって、あんだけ言ってきたのに？」


『でも、もしかしたら、その言葉がふたりにとってはプレッシャーだったんじゃない？』


北人:「だったら、俺もAにもプレッシャーが…！」


『でもまあ、ふたりは姉妹だったから。別々は嫌だったと思うんだ』


北人:「…なんでそんなにAは冷たいの？いつもなら、泣いて悲しんで崩れ落ちて…」


『北人くん。もう、やめてくれないかな…？』


北人:「A…｣









私だって悲しいよ。


だって…萩花ちゃんと夏恋ちゃんが自害したんだよ？

ついさっきまで一緒にいて、頑張ろうって支えあってきたのに



でも、理由があるってわかってるから


きっと苦しかったんだよね。

ふたりで生きられないって知って、もう望みも希望もなくなったんだよね…



苦しいのは同じだから


だから、私だけでもふたりの気持ちをわかってあげたかった



でも…



ピンと張っていた糸が、いきなりプツンって切れるように


私の瞳から涙がこぼれた



泣かないって決めてたのに。









北人:「ごめんA…」


『ううん。違うよ。北人くんのせいじゃないよ。…でも、私たちが萩花ちゃんたちを責めちゃいけないと思うの……私も、本当は辛いけど…』


北人:「…ごめん」


『違うの本当に。北人くんは謝らなくて大丈夫。…私たちも自分たちのこと考えないと』


北人:「うん…」









あと半日


表情には余裕が出ているけど



本当はすごくすごく焦ってて


だってもしこのままだったら北人くんは死んじゃうでしょ？


そんなのやだよ。私が耐えられない



お願いだから、私をひとりぼっちにしないで…









北人:「A」


『北人くん』


北人:「あ。ごめん。何？」


『いや、えっと…北人くんは、突然私の前から消えたりしない？』


北人:「しないよ。…でも、もしもの時は、Aは生きていてほしい」


『…そっか』









私だって北人くんに生きていてほしい



でもなんか言えなかった


北人くんが真っ直ぐ私を見つめてくるから




…北人くんはきっと死んでしまう


北人くんが最後に人を裏切るような極悪人だったらよかったのに。


私たちはお互いが優しすぎるから

だから上手くいかないんだ







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