かくれんぼ２

大事な人 ページ17

伶菜ちゃんに背を向けて



そのまま走り去った





ずっと見下されてたとか、実際どうでもいい


ただ私が純粋に生きたいって思っただけ




私が死んで誰かが悲しむなら


私はその誰かのために生きる




誰も泣かせたくないの









萩花:「もう。びっくりしたよ。」


『ごめんね。ごめんね萩花ちゃん』


萩花:「ん？なにが？」


『伶菜ちゃんと萩花ちゃんは同じグループで活動してたのに…』


萩花:「……まあ、あれだよ。Aのこと見下してたしさ、見損なったよ。伶菜のことは。」


『ごめんね…』


萩花:「それにさ、今はAの方がよっぽど大事！夏恋のことも助けてくれたし、私と一緒にいてくれてるし！ほんと、感謝してるよ」


『私も。萩花ちゃんがいなかったら…生きてって言ってくれなかったらここまで生きることが出来なかったかもしれない。ありがとう』









放送が流れて、伶菜ちゃん、彰吾くん、ELLYさん、ゆりのちゃんが今日のゲームで死んだ




明日で終わり




敗者復活が来ないまま、このゲームは終わりを迎えようとしていた







伶菜ちゃんが死んだ今日の夜も私と萩花ちゃんは一緒にいた。あと、北人くんと夏恋ちゃんも









萩花:「ごめん。ちょっとトイレ」


『うん。わかった』









立ち上がって教室を出てった萩花ちゃん




そしたら夏恋ちゃんが



珍しい。


って、ぼそっと呟いた









『なにが珍しいの？』


北人:「トイレなんて誰でも行くけど」


夏恋:「なんかね、お姉ちゃんって、みんなといる時はあんまり抜け出したりしないんだよね。私といる時は例外だけど」


北人:「抜け出したくなるくらい我慢出来なかったとかじゃないの？」


夏恋:「いや、それがね、抜け出す時は、大体その日に大事な人が死んじゃった時なの。私の推測ではね」









大事な人…



萩花ちゃんの大事な人って…









『…ちょっと行ってくるね』


北人:「ちょっ！おい！」








北人くんが何かを言おうとしてたけど



聞く耳を持たないまま、トイレまで走った









『萩花ちゃ……』


萩花:「伶菜………ごめんね…」









壁にもたれかかって泣いている萩花ちゃんに




私は声をかけれなかった





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