かくれんぼ

続けない ページ26

〜萩花side〜



ゴトンッ






重々しい音が足元で聞こえた




夏恋の首が、足元に転がってきて



その顔は、笑顔だった





目の前で妹が死んだのに


もうこの世に夏恋がいないなんて考えられない









『夏恋…？』









本当はまだ生きてるんじゃないの？



これはマジックかトリックで、いつもみたいに嘘でしたー！って、笑って起き上がるんじゃないの？




ねぇ。起きてよ。




…ねぇ。









『起きてよ！嘘だって笑って言ってよ！ねぇ！夏恋！』









どれだけ叫んでも、どんだけ泣きわめいても



夏恋が目を覚ますことはなかった






もう…やだよ…









『夏…恋……。うわぁぁぁぁ！夏恋！』









胴体から噴き出る血を


ぼやけた視界で見つめてた





首をくっつけたら、また元に戻るんじゃないかな？って



そんな訳ないのに









ガチャ＿









A:「萩花ちゃん。」


『…A？』


A:「うん」


『今来ない方がいいよ。』


A:「いや、大丈夫。その…璃ちゃんの見ちゃったから」


『そっか。……死んじゃった。酷い死に方だよ。斬首って。』


A:「…前は首を絞められただけだったのにね」


『なんで…こんな事しなきゃいけないの。なんで夏恋が死ななきゃいけないの』


A:「あと5日…頑張ろう？」


『Aはいいよね。北人がまだ生きてんだもん。大切な人を奪われた気持ちなんてわかんないよ』


A:「それは…」


『みんな…大切な人を奪われればいいのに。』


A:「萩花ちゃん…」


『ごめん。ただの八つ当たり。最低だよね。…ちょっと一人にさせて』








大事な仲間に八つ当たりするなんて最低だな



でも、それくらい悔しくて


悲しくて。





なんで夏恋が死ななきゃいけないのってずっとずっと考えてる



私、かくれんぼを続ける必要ある？





私はもうこのゲームを続けない




生きる希望を失ったから。



･

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